大竹耕太郎がハーラートップ、リチャードは打点、三森大貴は打率トップ
一時は2位・ロッテに詰め寄られたソフトバンクがラストスパートをかけている。マラソンに例えると、35キロ地点で追い上げてきたランナーを再び突き放した格好だ。シーズン終盤での11連勝は地力を見せつけたと言えるだろう。
マジックを6に減らし、リーグ優勝が見えてきたソフトバンクは、実はファームも優勝に迫っている。2軍がウエスタン・リーグで首位を走っており、連覇目前なのだ。
10月22日現在、37勝24敗6分けで勝率.607。2017年育成4位入団の左腕・大竹耕太郎は6勝を挙げてハーラートップ、防御率2.62でウエスタン2位につけている。同1位はチームメートの杉山一樹で2.55。三菱重工広島から入団したプロ2年目右腕で、奪三振数も83個でトップに立っており、現在は1軍登録されている。
打撃部門でも、沖縄尚学高から2017年育成3位で入団したリチャードが38打点でトップ。青森山田高から2016年ドラフト4位で入団した三森大貴は打率.296、出塁率.377でいずれもトップと、次代を担う若手が着実に育っている。
最近10年で7度目のウエスタン制覇へ
2011年以降のウエスタンリーグの成績を振り返ると、ソフトバンクは実に6度も優勝しており、負け越したのは2017年のみ。今年もこのままいけば、最近10年間で7度目の頂点となる。
選手の育成が主眼の2軍とはいえ、素質の高い若手が揃っているからこその成績であり、勝ち癖をつけるという意味でも有益だろう。
親会社に資金力があり、FA戦線でも主役を張ることの少なくないソフトバンクだが、育成力にも定評がある。「お化けフォーク」で絶対エースに登り詰めた千賀滉大が、中央球界では無名の蒲郡高から2010年育成4位で入団したのは有名な話だ。
「甲斐キャノン」と呼ばれる強肩で知られる甲斐拓也や、俊足で侍ジャパンにも選出された周東佑京、今季8勝を挙げている石川柊太も育成出身。3軍制を敷き、体作りや基礎から徹底的に鍛え上げる球団の方針が、活きのいい若手が次々に出現する礎になっている。
着々と「最強王国」を築き上げているソフトバンク。和田毅、松田宣浩、内川聖一、長谷川勇也らベテランも多いが、世代交代を心配する必要は全くなさそうだ。
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