ジョーンズの開花宣言はこれから?
今年も多くの新外国人選手が海を渡って日本へとやってきた。彼らの成績が、チームの順位を大きく左右することになるわけだが、オープン戦ではどのような成績を残してきたのだろうか。パ・リーグ6球団の新外国人選手の状況を確認してみた。なお、育成選手、NPB他球団への所属があった選手は含んでいない。
パ・リーグの新外国人野手で大注目なのはなんといってもアダム・ジョーンズ(オリックス)だろう。今年35歳と全盛期は過ぎたものの、MLB通算1939安打、282本塁打の実績は際立っている。
しかしオープン戦では、これぞメジャーリーガーというような弾丸ライナーの本塁打を放ったものの打率.100(20打数2安打)、1本塁打と本調子にはほど遠い。それでもチームメートには、さながら「ジョーンズ塾」のような形で助言を与えており、その影響は大きい。
オリックスにはもうひとり外国人野手が加わった。「A.ロッド」ことアデルリン・ロドリゲスである。春季キャンプ中に一時離脱したが、オープン戦に入ってから一軍へ復帰。ここまで4試合に出場し、打率.444(9打数4安打)と少ない打数ながらも結果を残している。ジョーンズばかり注目されているが、ロドリゲスも主軸を張る可能性は十分。一塁、三塁、指名打者でライバルたちとの競争になる。
西武のコーリー・スパンジェンバーグは二塁、三塁、そして外野と複数のポジションを任されており、さっそくユーティリティー性を発揮。一方で打撃面では打率1割台とやや苦しんでいる。もともと打撃面よりもユーティリティー性を買われて獲得された意味合いが強いが、最低限の打撃成績はほしいところ。開幕までにどこまで状態を上げることができるか。
MLB54勝左腕ムーアが圧巻の投球
投手ではソフトバンクに加入したマット・ムーアの実績が抜けている。MLB通算54勝の左腕は、オープン戦で3試合(8.2回)に登板し無失点。13三振を奪っており、与えた四球はわずかに1つ。150キロを超えるストレートにカットボールやカーブといった変化球を交えた投球は圧巻。強力な左腕がローテーションに加わることになりそうだ。
先発タイプでは日本ハムのドリュー・バーヘイゲンはやや苦しんでいる。オープン戦3試合全てで失点を喫し、9.2回を投げ与四球は8個。ほぼ1回に1個の四球を与えている計算となる。制球面の改善が鍵となりそうだ。
中継ぎでは楽天のJ.T.シャギワが5試合連続で自責点0(2失点)とまずまずの内容。現時点で三木肇監督は守護神を明言していないが、シャギワにもその可能性は十分にあるだろう。森原康平、アラン・ブセニッツとの競争になる。ただし、三者凡退は1度だけ。与四球も4個と四球で走者を許すことが多い。三木監督がそのあたりをどのように判断するだろうか。
オリックスのタイラー・ヒギンスはオープン戦4試合の登板で失点は1試合だけ。その他の試合では2人以上の走者を出すことはなく、安定した投球を見せた。外国人枠の問題もあるが、セットアッパーで起用したいところだろう。西村徳文監督も「連投のテストをしたい」とコメントしており、これからさらに見極めを行っていく。
今年は東京オリンピックによる変則日程に加えて、新型コロナウイルスの影響で開幕も4月24日以降へと延期になった。新外国人投手も調整には苦労するだろう。はたして、難しいシーズンでどのような成績を残してくれるのだろうか。チームの順位に直結してくる新外国人選手の1年目に注目したい。
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