4打数3安打2打点!打って走って勝利に貢献
オリックスが楽天に4-0で完封勝ちし、開幕3戦目で今季初勝利を挙げた。先発した昨年の最優秀防御率右腕・山本由伸が8回をわずか94球、3安打10奪三振無失点というほぼ完ぺきな投球を見せ、9回をディクソンが締めて完封リレー。今季のさらなる飛躍を予感させた山本は、間違いなく勝利の立役者の一人だろう。
しかし、もう一人、忘れてもらっては困る選手がいる。3試合連続で1番に起用されたT-岡田だ。初回にいきなり二塁打を放ち、三進後に中川圭太の中犠飛でホームにヘッドスライディングして先制すると、2回に中前タイムリー、4回にもタイムリー二塁打を放つ活躍。4打数3安打2打点で勝利に貢献した。
今季は西村徳文監督の方針で1番として起用されているが、開幕戦は2打数ノーヒットで中犠飛による1打点のみ、2戦目も4打数ノーヒット2三振と快音が聞かれなかった。それだけに3戦目での活躍は本人、首脳陣ともどもホッとしたことだろう。
体重100キロの1番打者から始まる“クリーンナップ”
1番打者と言えば、俊足で巧打者のイメージが強い。「切り込み隊長」とも呼ばれるように、まずは出塁して足でかき回し、クリーンナップのタイムリーでホームインというのが、オーソドックスな打線だ。
T-岡田は身長187センチ、体重100キロ。2010年に33本塁打でタイトルを獲得するなど通算170本塁打を放っている長距離砲だ。1番打者としては従来のイメージを覆す、超重量選手であることは間違いない。
ただ、この日の2回は8番・安達了一、9番・後藤駿太の連打でつくったチャンスでタイムリー、4回も二塁打で出塁した7番・若月健矢を還すタイムリー二塁打を放った。つまり、チャンスメークしたのは初回だけで、あとは下位打線がつくったチャンスでポイントゲッターの役割を果たしたことになる。
この日も2番には身長191センチ、体重95キロのアデルリン・ロドリゲス、3番に昨季29本塁打をマークした吉田正尚、4番にメジャー通算282本塁打のアダム・ジョーンズが並んだ。これは他球団にも引けを取らない立派なクリーンナップなのだ。
15年目、32歳で新境地を切り開けるか
これまでも一発長打のある1番打者は存在した。1985年の阪神優勝に貢献した真弓明信は同年に打率.322、34本塁打をマークした。他にもダイエー時代の佐々木誠や打点王に輝いたこともあるオリックス・イチロー、2002年にトリプルスリーを達成した西武・松井稼頭央、最近でも巨人・坂本勇人、ヤクルト・山田哲人、中日・平田良介ら長打力のある打者が1番で起用されたこともある。
しかし、T-岡田はその誰よりも、いい意味で「重い」1番打者だろう。プロ15年目、32歳にして新境地を切り開くことができるか。
山本由伸に加え、昨季最高勝率のタイトルを獲得した山岡泰輔や左腕の田嶋大樹、リリーフにはディクソンや増井浩俊が控える強力投手陣のオリックス。新打線が機能すれば、もっと勝っても何ら不思議ではない。
2020年プロ野球・オリックスバファローズ記事まとめ