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DeNA・坂本裕哉は開幕ローテ、中日・郡司裕也は開幕スタメン獲りなるか【セ・リーグ新人たちの現在地】

2020 3/27 06:00勝田聡
横浜DeNAベイスターズの坂本裕哉と郡司裕也ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

巨人はドラフト2位の太田龍が実戦登板

昨年のドラフト会議で指名されたルーキーたちは、初めての春季キャンプを終え自身の立ち位置がわかってきたはずだ。即戦力として一軍に帯同を続けている選手もいれば、将来を見据えてファームで汗を流す選手もいる。現時点で新人選手たちはどのような状況なのだろうか。セ・リーグ6球団の新人を確認してみたい。

巨人の指名選手は全員が二軍で調整を続けている。そのなかで社会人出身のドラフト2位である太田龍が、3月17日に日体大とのプロ・アマ交流戦に登場した。

大学生相手とはいえ2回無失点と好投を見せており、その後21日に行われた早稲田大学戦でも結果を残した。一軍の先発ローテーションは固まっておらず、順調にいけば今シーズン中のローテーション入りもありそうだ。

1位の堀田賢慎は、新人合同自主トレ中に右肘の炎症が発覚しリハビリ中。もう少し時間がかかりそう。3位の菊田拡和、4位の井上温大、5位の山瀬慎之助、6位の伊藤海斗、その他高卒組も三軍で試合に出場しながら、レベルアップを図っている段階だ。

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DeNA坂本裕哉がローテ入りへ、阪神井上広大が二軍で大暴れ

DeNAでは、ドラフト2位の左腕・坂本裕哉が順調にきている。3月21日に行われた巨人との練習試合では、3回を投げ被安打1の無失点と好投。わずか35球でまとめたことで、開幕ローテーション入りをたしかなものとした。

同じく即戦力候補である3位の伊勢大夢もオープン戦で2試合に登板し1失点(自責0)と好投。3月24日・25日の練習試合では連投も経験し、1.1回を投げ無失点とここでも結果を出している。最速150キロを超えるストレートを武器に、中継ぎとして一軍に入りそうだ。

1位の森敬斗は二軍戦で好結果を出していたが、2月下旬から別メニュー調整となった。しかし、すでに実戦には復帰しており守備にもついている。今シーズンは二軍漬けとなりそうだ。

4位の東妻純平、5位の田部隼人、7位の浅田将汰ら高卒組は二軍で調整を続けている。6位の大卒ルーキー蝦名達夫は春季キャンプ中に左手薬指を骨折。リハビリを行ってきたが、すでに実戦へ復帰している。開幕延期をプラスに捉え、一軍入りを目指す。

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昨年の阪神は高校生中心のドラフト指名(支配下)だった。唯一の大学生であるドラフト6位の小川一平は中継ぎとして一軍で起用されている。オープン戦では2試合で2回を投げ無失点と好投した。練習試合では失点を喫したが、中継ぎとしての一軍入りを争っている状態。

高校生組では2位の井上広大が、1位の西純矢以上に注目を集めている。二軍では早くも4番に座り本塁打も記録。3月8日に行われた巨人とのオープン戦では適時二塁打を放つなど一軍でも結果を残している。待望の和製大砲への道を歩んでいると言っていいだろう。

一方の西は二軍の練習試合で登板。3月15日のオリックス戦で、1回無失点で最速149キロを記録している。こちらも順調だ。

4位の遠藤成と5位の藤田健斗の野手2人も一軍を経験したがこちらは無安打に終わった。遠藤は3月24日のソフトバンク戦(二軍)で本塁打も記録。一軍昇格への足がかりとしたいところ。3位の及川雅貴は3月25日に二軍でシート打撃に登板した。今後も一歩ずつ階段を登っていく。

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広島ドラ1森下が開幕ローテ当確、中日・郡司は正捕手獲りへ奮闘中

即戦力候補のドラフト1位・森下暢仁が開幕ローテーションを確実にしている。オープン戦は4試合で防御率4.20と数字だけ見ると、特段良くはない。

しかし、それは3月15日のソフトバンク戦で4回5失点と打ち込まれたことによるもので、15回を投げ16奪三振4四球と、三振を奪い四球を与えない能力は高い。本来なら開幕3戦目となるはずだった、3月22日の中日との練習試合では、6回2失点と結果を残している。現時点で新人王候補ナンバーワンと言っても過言ではない。

2位の宇草孔基はオープン戦終盤から二軍で試合に出場している。これは降格というよりは実戦経験を積ませるためのもの。佐々岡真司監督が視察した3月19日の練習試合で複数安打を記録した。その活躍もあり3月24日のヤクルト戦から一軍へと再合流。2試合連続安打を記録し、左翼のレギュラー奪取へ向け猛アピール中だ。

5位の石原貴規も宇草同様に春季キャンプ後は二軍に合流。こちらも実戦で経験を積み一軍昇格を目指している段階だ。3位の鈴木寛人、4位の韮澤雄也、6位の玉村昇悟はいずれも二軍でトレーニングを続けている。

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中日の主軸候補、ドラフト1位・石川昂弥は春季キャンプで離脱したがすでに実戦へ復帰している。二軍の練習試合では安打を量産し、3月25日の巨人戦で待望の一軍デビューを飾る。しかし、そこでは3打数ノーヒット、2三振と結果を残すことができなかった。

即戦力候補の2位・橋本侑樹と3位・岡野祐一郎の両投手はともに開幕一軍入りが濃厚だ。とくに橋本はセットアッパーとして起用されており、勝ちパターンへの抜擢も現実的なものとなっている。岩瀬仁紀から受け継いだ背番号「13」が再び試合終盤に見られるかもしれない。

東京六大学で三冠王を獲得した4位の郡司裕也は正捕手争いに割って入っている。オープン戦でも打率.357と打撃面で一歩抜け出しており期待値は高い。

野手に専念となった5位の岡林勇希は3月25日の巨人戦で一軍デビュー。ノーヒットだったものの、守備ではレーザービームを見せている。一方、6位の竹内龍臣は一軍昇格を目指しているが、もう少し時間は掛かりそう。

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ヤクルト:奥川恭伸は順調に回復

ヤクルトのドラフト1位、奥川恭伸は順調に調整を進めている。新人合同自主トレ終盤からノースロー調整を行なっていたが、すでにブルペンで本格的な投球を行っている段階。早ければ4月中に二軍戦でデビューもありえそうだ。

2位の吉田大喜、3位の杉山晃基、4位の大西広樹の大卒投手3人はそろって一軍キャンプを完走した。練習試合、オープン戦でも出番を与えられており一軍に踏みとどまっている。3人揃っての開幕一軍の可能性もある。

5位の長岡秀樹、6位の武岡龍世の高卒野手2人は二軍で汗を流している。そんななか、武岡は3月11日のオープン戦で一軍デビュー。失策を犯す「ほろ苦デビュー」だったものの、この時期に一軍を経験できたのは本人にとって大きなプラスとなったはずだ。

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