野茂以来のMLB100勝まであと5勝のダルビッシュ
メジャーリーグの2022年レギュラーシーズンが終了した。エンゼルスの大谷翔平が1918年のベーブ・ルース以来104年ぶり2人目となる「2桁勝利&2桁本塁打」を達成。日米で大フィーバーを巻き起こす歴史的シーズンとなった。
大谷は15勝9敗、防御率2.33と投手成績だけでも十分に胸を張れる数字。パドレスのダルビッシュ有は渡米後自己最多となる16勝(8敗)をマークした。今季終了時点の日本選手のメジャー通算勝利ランキングを紹介しよう。

野茂英雄が1995年にメジャー挑戦して以来、これまで多くの投手が海を渡ったが、MLBで100勝を挙げたのは現時点で野茂だけだ。近鉄で5シーズンしか経験せず26歳という若さで移籍したこともあり、2008年の引退まで14年間をアメリカで過ごした。今後、野茂を超える成績を残す投手は簡単には現れないだろう。
その可能性があるとすればダルビッシュが最も近い位置にいる。通算95勝で、黒田博樹を抜いて2位に浮上。順調なら2023年にメジャー通算100勝到達が濃厚で、日米通算200勝も見えている。さらに野茂とは28勝差のため、最短で2024年にも日本選手最多勝利に躍り出る可能性がある。
現役メジャーリーガーでは前田健太が59勝で2位
ランキング上位に並ぶ投手は日本で100勝以上を挙げた投手が多い。MLB通算79勝の黒田博樹は33歳になる2008年にFAでドジャース移籍。ヤンキースを退団するまで7シーズンで通算79勝79敗の成績を残した。
田中将大は楽天でシーズン無敗の24連勝という驚異的な成績を置き土産に、2014年からヤンキースのピンストライプのユニフォームに袖を通した。2020年に退団するまで6年連続2桁勝利を含む通算78勝46敗の成績を残している。日米通算190勝を挙げており、2023年に200勝を達成する可能性も十分だ。
岩隈久志は楽天からFAでマリナーズに移籍し、3度の2桁勝利をマークするなど歴代5位のメジャー通算63勝。巨人では一度も一軍登板できないまま、2020年に引退した。
現役メジャーリーガーでダルビッシュに次ぐのは前田健太。広島からポスティングシステムでドジャース入りし、ツインズ移籍後も含めて6シーズンで計59勝を挙げている。2021年9月に右肘のトミー・ジョン手術を受けて復活を目指している。
松坂大輔は2007年にポスティングシステムでレッドソックスに移籍し、いきなり15勝をマーク。翌2008年も18勝を挙げたが、以降はケガに苦しみ、メジャー8年で通算56勝だった。輝かしい実績を残してきた「平成の怪物」も日米通算200勝に到達することなくユニフォームを脱いだ。
13位の大谷翔平はどこまで伸ばすか
歴代8位のメジャー通算51勝を挙げた大家友和は、上位にランキングされる投手の中では日本での実績が最も乏しい。京都成章高から1993年ドラフト3位で入団した横浜では1勝を挙げただけだったが、1999年にレッドソックスとマイナー契約。そこからMLB5球団を渡り歩いて通算51勝をマークした。2010年には横浜に復帰して7勝を挙げている。
オリックス時代に先発として活躍した長谷川滋利は、毎年のように契約更改交渉の席でメジャー挑戦希望を訴え、1997年に念願叶って金銭トレードでエンゼルスに移籍。まだポスティングシステムのない時代だった。マリナーズに移籍後の2005年に引退するまで、日本人最多のメジャー通算517試合に登板し、45勝44敗33セーブ83ホールドの成績を残した。
ここまで全員が右腕だが、歴代10位にようやく左腕の石井一久がランクイン。ドジャースとメッツで4シーズンを過ごし、通算39勝34敗。日米通算では182勝を挙げ、現在は楽天の監督を務めている。
以下、11位は34勝の伊良部秀輝、12位は32勝の吉井理人、13位は28勝の大谷翔平、14位は22勝の上原浩治、15位タイが21勝の斎藤隆と田澤純一、17位は17勝の岡島秀樹、18位に16勝のマック鈴木、19位に14勝の高橋尚成、20位に13勝の大塚晶文と続く。
大谷は年々進化しており、今後どこまで伸びていくのか計り知れない。偉大なる先人たちを次々に抜き去る日々が楽しみだ。
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