パイレーツ移籍後に8本塁打
パイレーツ・筒香嘉智が好調をキープしている。9月26日のフィリーズ戦では「2番・右翼」で出場し、第5打席に2点タイムリーを放った。パイレーツでは現在37試合に出場し、打率.290、8本塁打、24打点と結果を出している。
筒香はDeNA時代の2019年12月にポスティングシステムでタンパベイ・レイズと契約。メジャー1年目は新型コロナの影響で公式戦が60試合に減少した中で51試合に出場したが、打率.197、8本塁打、24打点と振るわなかった。
2年目の今シーズンは開幕から不振が続き、5月11日にロースター40人枠から外れ、事実上の戦力外となった。5月15日にドジャースへ移籍したが調子は上がらず、3Aでも不振が続いて8月14日に契約解除。だが、8月16日にパイレーツへ移籍してからは見違えるほどの活躍を続けている。
筒香が大変身したのは2つの要因がある。
オープンスタンスのメリットは「右肩」と「両目」
好調の要因として、まずオープンスタンスに戻したことだ(以下オープン)。オープン時は構えの段階で上半身を開き、投手のモーションに合わせてゆったりひねりを入れる。
一方、スクエア時は上半身を開かずに構えるが、オープンと同様にひねりが入るため、右肩が深く入りやすい。レイズ時代は速球に押されることが多かったが、右肩の入り過ぎが要因と言える。
DeNA時代もスクエアで構える時があったが、日本の投手は変化球を多投する傾向があるため、右肩が多少入っても対応できた。しかし、メジャーは豪速球投手が多く、150km/h超えは当たり前。少しでもバットの出だしが遅いと振り遅れてしまう。
筒香がパイレーツ移籍後に変身したのは、オープンに戻したことで右肩が入らなくなったのが要因の一つと言える。
2つめはオープンにすることでボールが見やすくなる点。オープンスタンスは投手に対して体を正面に向けやすく、両目でボールを見られる。
メジャーではムービングファストボールを投げる投手が多く、左打者は内角のカットボールや外へ逃げるツーシームに対応しなければならない。さらに球速は150km/hを超えるため、よりボールが見えやすいフォームで打つことが求められる。
パイレーツ移籍後に好調をキープできているのは、オープンに戻すことでボールが見やすくなったのも大きく関係しているだろう。
来季のメジャー契約を賭けて
筒香は2年契約の2年目だが、このまま好調をキープできれば来季のメジャー契約も見えてくる。メジャー移籍後、2年も経たずに2チーム移動しているため、パイレーツでは最後まで調子を落とさずシーズンを終えたいところだ。
ドジャース傘下のマイナー時代は、43試合で打率.257、10本塁打、32打点と結果を残した。パイレーツでは同等かそれ以上の活躍を見せられると、来季の戦力として獲得したい球団も増えるはずだ。
今シーズンの公式戦は残りわずか。最後まで好調をキープし、来季は開幕からメジャーで活躍する姿を期待したい。
※成績は9月27日現在
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