早稲田大のエースとしてインカレ優勝
現役大学生(早稲田大学)のVリーガー大塚達宣は、東京2020オリンピックで男子日本代表に選出され世界の強豪国と戦った。一方、早稲田大学バレーボール部では、全日本インカレでエースとしてチームの優勝に貢献。2021年、プレーの環境が異なる2つの舞台を経験した大塚は、さらなる高みを目指しVリーグに挑んでいる。
2022年1月6日、V.LEAGUE DIVISION1に所属するパナソニックパンサーズに加入。チームに合流後、3試合目にスタメンの座を掴みワンランク上のステージで活躍を続ける。加入後、16試合での総得点(スパイク・サーブ・ブロック含む)は219点を挙げた。得点の内訳はスパイク194点、サーブ10点、ブロック15点(2022年3月14日現在)。1試合平均10点以上の得点を取っており、チームの勝利に貢献している。
総得点はアウトサイドヒッターとしての実力を発揮しているだけではなく、他の要素も関係しているようだ。チームメイトと積極的にコミュケーションを取り、良好な関係を構築。人間関係が築かれることで、よりプレーしやすい環境を整えているのだ。
パナソニックパンサーズに加入してから続けていた取り組みによって、自身のプレーに良い影響を与えている。実力を伸ばすだけではなく、チームメイトとの絆を深める大事さを知っているのは大塚の強みだろう。
周囲が認める実力と成長
Vリーグで活躍する大塚の実力や成長は、周囲の選手や監督も認めている。BSフジスポーツセレクション『Volleyball Channel』内で、早稲田大学の先輩・宮浦健人(ジェイテクトSTINGS)は、「ブロックをとばすパワーや通過点を意識したスパイク」に関して成長を感じると語っていた。
さらに、パナソニックパンサーズ監督のティリロラン氏は「常に学び続けている」とコメントし、急成長に驚きを隠せない様子だった。監督は、さらなる飛躍を遂げることを期待しているようだ。
大塚は学ぶことを忘れない選手であり、常に成長を続ける。パナソニックパンサーズに合流してから「準備動作」を学び、自身のプレーに変化が生まれる。準備動作とは相手の攻撃に対し、事前に対策を立てて、身構えることだ。基本的な行動だが、自らのプレーのリズムが良くなり、パフォーマンスが向上した。
新たなステージに立ち、「毎日が楽しいというか充実していた」と、BSフジスポーツセレクション『Volleyball Channel』内のインタビュー取材で語る。毎日を楽しみながら学び続けるスタイルは、誰にでも真似できることではない。
東京五輪の悔しさをパリ五輪で晴らす
東京オリンピックで男子バレー日本代表に選ばれたが、イタリア戦のみの出場にとどまった。イタリア戦では試合の途中からコートに入ったため、パフォーマンスの機会が少なかった。
コート外で活躍するチームメイトを見つめながら悔しさを噛みしめる。そして、さらに活躍できる選手になりたいと強く思う。オリンピックでの悔しさが糧となり、さらなる成長を遂げることになった。
パリ五輪では、イタリアでプレーする石川祐希や西田有志とともに東京五輪を超える成績が期待される。大塚は威力のあるスパイクだけではなく、サーブでも期待される。全日本インカレではサーブ賞を受賞し、優勝に貢献した。
スパイクとサーブの2つの武器を携え、世界の強豪国に挑んでほしい。同世代の高橋藍とともに、日本代表を引っ張る存在に成長する日が待ち遠しい。
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