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遠藤関と同部屋の大相撲、大翔丸関の将来性などを解説

2017 3/22 18:28kinsky
大相撲,ⒸShutterstock.com
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Photo by J. Henning Buchholz/Shutterstock.com

大翔丸関は学生相撲の元アマ横綱で、卒業後高校、大学の先輩である遠藤関が所属している追手風部屋に入門。幕内昇進後にやや足踏み状態が続いているが、学生時代の実績や素質から見て、まだまだ伸びると期待が集まっている。

出身は大阪。相撲は小学生から始めわんぱく相撲で横綱に

大翔丸関(本名・川端翔伍さん)は大阪府大阪市の出身で、小学校時代から大東市相撲連盟で稽古を積み、6年生になると「わんぱく相撲」で横綱になった。小学校を卒業すると地元から離れ、朝青龍や琴奨菊も在籍していた相撲の名門・明徳義塾中学校に進んだ。3年生の時には、全国都道府県中学生相撲選手権で個人優勝を飾っている。
高校はスポーツ教育に重点を置いている金沢学院東高等学校に進み、相撲部に入部。1学年上に遠藤関がおり、川端少年は1年生から団体戦レギュラーとして活躍した。

相撲の名門高校から大学へ、相撲エリートの道を邁進

大翔丸関は高校を卒業すると日本大学経済学部へ進学。名門大学の相撲部で2年生の時に膝を負傷し治療に時間を費やしたが、4年生では副主将に就任し、全日本相撲選手権大会で堂々の優勝を飾りアマ日本1の称号を得た。これにより角界に入る場合、幕下15枚目付け出しからスタートできる資格を得たのだ。
そして2014年3月に大学の先輩として、1年早く角界入りしていた遠藤関と同じ追手風部屋に入門した。追手風部屋にとっては、2年連続でアマ横綱を迎え入れることになった。

入門から約2年後の2015年5月場所で新十両に。四股名を大翔丸に

大翔丸関は幕下デビュー後に負け越しも数場所あったものの、じっくりと自力を付け、約1年後の2015年5月場所で新十両となった。しかし新十両12枚目の位置で6勝9敗と負け越し、幕下に陥落する。それでも翌7月場所では、東幕下2枚目の十両力士とも戦う位置で、7勝0敗の全勝優勝を飾り堂々と十両に復帰した。
なお、大翔丸関は新十両昇進時にそれまでの四股名であった「川端」から改め、追手風部屋の伝統的四股名である「大翔」にプラス丸みを帯びた体型から「丸」を付け、「大翔丸」と名付けられた。

新入幕は2016年3月場所、8勝7敗で勝ち越すも苦難が続く

大翔丸関は十両復帰後の場所では6勝9敗と負け越したが、翌場所十両下位ながら12勝3敗の成績を上げ、翌場所も10勝5敗で2016年3月場所に待望の新入幕を果たした。新入幕の3月場所では持ちこたえて8勝7敗で勝ち越し、次の5月場所でも9勝6敗と健闘した。
しかし7月場所は7勝8敗で負け越し、続く9月場所は場所前右足首を痛めた状態で強行出場したことが尾を引き4勝11敗と大きく負け越した。さらに11月場所と2017年1月場所でも負け越し十両陥落の危機となった。

同部屋の遠藤関とは対照的に癒やし系力士として人気上昇中

大翔丸関が所属する追手風部屋には同じ高校・大学の先輩遠藤関が在籍している。遠藤関は角界きっての美男力士として女性ファンが殺到しているが、大翔丸関は対照的に「可愛らしい」との癒やし系力士として人気がある。
得意技は突き押しで、強烈なハズ押しも大きな武器だ。体重は158キロと平均的だが身長が173センチと小柄の部類だ。下半身がどっしりと安定しているので、立ち会いではたき込まれるようなケースが少なく、丸い身体で激しく当たり、そのまま押し込む相撲で幕内定着を狙っている。

まとめ

丸い身体に人なつっこい笑顔で、癒やし系力士の代表格として人気があるのが大翔丸関だ。突き押し相撲で派手な決まり手はないが、体力を生かした当たりと威力ある押しで、今後の活躍に注目が集まっている。