「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

続く強豪、消えた名門…20年前から振り返る箱根駅伝の出身高校ランキング

2023 12/15 06:00鰐淵恭市
イメージ画像,ⒸPavel1964/Shutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸPavel1964/Shutterstock.com

かつての名門・田村と報徳学園の名前がある80回大会

第100回箱根駅伝は2024年1月2、3日に開催される。正月の風物詩で走る権利を与えられる登録選手は各大学16人。この登録選手の出身高校を調べると、その時々の高校駅伝の強豪の変遷も見えてくる。箱根の80回大会から5大会ごとに、6人以上輩出している高校をランキングにしてみた。

第80回箱根駅伝出身高校ランキング


80回大会(2004年)のランキングを見ると、100回大会と同じ学校もあれば、懐かしい名前もある。

1位は佐久長聖(長野)と田村(福島)で8人。佐久長聖は1999年の全国高校駅伝で3位。その時のメンバーが箱根の80回大会では4年生になっている。同校は箱根の100回大会のランキングでも4位になるなど、長く箱根の「供給源」となっている。

一方、田村は懐かしい名前。現在、福島と言えば学法石川が強豪校として知られるが、かつては田村が全国の常連だった。

7人で3位に並んだ2校はオールドファンにはたまらない学校となった。かつてのライバル、西脇工(兵庫)と報徳学園(兵庫)だ。

ただ、現在の両校は対照的。西脇工は100回大会でも6人で7位になっているが、全国の舞台で姿を見なくなった報徳学園は2人で、明暗が分かれている。

1位仙台育英、2位洛南、100回大会と逆となった85回大会

第85回箱根駅伝出身高校ランキング


85回大会(2009年)のランキングは1位が仙台育英(宮城)、2位が洛南(京都)と100回大会の1、2位を逆にした形だった。仙台育英は全国高校駅伝で2004年から優勝、優勝、2位、優勝と圧倒的な強さを誇っていたから納得のいく結果だが、洛南は2004年からの4年間で入賞が1度しかなく、こちらは意外な結果とも言える。

3位に並んだのは、80回大会と同じく西脇工、報徳学園。懐かしいのが7位の豊川工(愛知)。現在は愛知と言えば、豊川が有名だが、かつては豊川工が愛知の王者だった。

熊本の強豪が1位となった90回大会

第90回箱根駅伝出身高校ランキング


90回大会(2014年)の1位は九州学院(熊本)と西脇工で10人だった。100回大会では上位に入っていない九州学院だが、当時は全国高校駅伝の強豪。90回大会の4年生が出場した2009年全国高校駅伝は5位。その後も2年続けて3位となり、多くのランナーを箱根に送り出していた。

意外だったのが、3位タイの一関学院(岩手)。全国高校駅伝では2009年から14位、13位、28位、44位と決して強豪と言える成績ではないにもかかわらず、人気があったことがわかる。

千葉と兵庫が2校ずつ入った95回大会

第95回箱根駅伝出身高校ランキング


95回大会(2019年)の1位は90回大会に続いて九州学院。この大会で面白いのは、千葉と兵庫がそれぞれ上位に2校あることだ。

千葉は市立船橋が2位、八千代松陰が5位。千葉では1980年から90年代は市立船橋の独壇場だったが、近年は八千代松陰との2強になっている。その関係を表していると言えるだろう。

兵庫は西脇工が3位、須磨学園が5位だった。かつての兵庫は西脇工と報徳学園の2強だったが、現在は西脇工と須磨学園の2強と言える。こちらも千葉同様、ライバルの関係がランキングに表れている。

全てでランクインしたのは兵庫の名門・西脇工

今回は80回大会から5大会ごとに6人以上の選手を輩出した高校をランキングにしたが、全てで顔を出している学校が一つだけあった。

全国優勝8度の西脇工。近年は須磨学園も力をつけており、全国に行けない年もある中で、名門の底力を見せつける結果だった。

【関連記事】
第100回箱根駅伝出身高校ランキング、京都の強豪が出雲、全日本に続き「3冠」達成
100回目の箱根駅伝に新たな「山の神」は降臨するか?歴代の“神様”と後継者候補
2019年の高校駅伝で活躍した選手の今、箱根駅伝でラストを飾れるか