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3本柱、山のスペシャリスト、豊富な経験者……駒澤大1強の予感漂う100回目の箱根駅伝

2023 12/16 06:00鰐淵恭市
イメージ画像ⒸPavel1964/Shutterstock.com
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強力3本柱がチームを引っ張る

100回目を迎える箱根駅伝で注目されるのが、駒澤大が史上初となる2年連続の「3冠」を達成するかどうかだ。

出雲、全日本大学駅伝では、一度もトップを譲ることなくたすきをつなぐ「完全優勝」で圧倒的な力を見せつけた。箱根も駒大の独壇場となるのだろうか。

駒大登録選手


大会前から駒大の「1強」の呼び声も高い100回目の箱根。発表された16人の登録選手の顔ぶれを見ても、駒大の力が抜きんでており、優勝候補の最右翼と言えるだろう。

その理由はいくつもあるが、まずはエースの存在が大きい。それも駒大のエースは1人ではない。出雲でゴールテープを切った主将の鈴木芽吹、ハーフマラソンの日本選手学生歴代1位の篠原倖太朗、5000メートルと1万メートルのU20日本記録保持者の佐藤圭汰の「3本柱」だ。1万メートルで27分台の記録を持つ唐澤拓海がメンバーから外れたものの、エース級が3人もいるのは心強い。

3本柱のバランスもいい。学年は鈴木が4年生、篠原が3年生、佐藤が2年生。鈴木は最後の大会だが、篠原や佐藤がこれからも引っ張っていく存在だ。

いい意味で走りのタイプも違う。佐藤は高校時代から中距離も速く、スピードがあるタイプ。篠原はハーフマラソンのような長い距離にも強さがある。箱根に過去3度出場した鈴木は安定感が売りだ。

なお、全登録選手の中でみても、1万メートルの自己ベストのトップは佐藤でハーフマラソンは篠原。駒大だけでなく、大学長距離界のエースでもある

1万メートルの平均タイムもトップ

各校上位10人の1万メートル平均タイム


登録選手は各大学16人だが、箱根を走ることができるのは10人。そこで各大学の上位10人の1万メートルの自己ベストを平均すると、駒大が28分21秒17でトップだった。

ライバルと目される2位の青学大に3秒46、3位の中大に5秒48の差を付けている。エースだけに頼るのではなく、選手層も厚いことがよく分かる。

特殊区間にも逸材が

箱根の難しさは5区の山上りと6区の山下りにある。ほかのレースにはない、「特殊区間」といえる。この山を制しないと、箱根の頂点をつかむのは難しい。しかし、駒大はこの2区間にスペシャリストを持つ。

5区は2年生の山川拓馬。前回の箱根も5区を走り、区間4位だった。6区も2年生の伊藤蒼唯。前回も6区を走り、区間賞を獲得した。駒大は平地での走力を考えると、山はブレーキさえなければ問題ないのだが、この2区間でライバルとの差をさらに広げる可能性もある。

経験も駒大の武器だろう。登録選手16人のうち、優勝した99回大会を走った選手が6人もいる。さらに97、98回大会の経験者を加えると、9選手が箱根の経験者になる。

あらゆる要素でライバルを引き離す駒大。1区で飛び出し、3本柱で序盤からリードを広げるようなら、今年度の3大駅伝全てでの完全優勝も夢ではない。

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