インディチャンプ出走の阪急杯
京都記念、そして京都牝馬Sが阪神競馬場で行われた。名前と競馬場がかみ合わないので違和感しかなかったが、今週の阪急杯はいつも通り阪神競馬場で行われる。
阪急といえば阪急電車なのだが、阪神競馬場へ行く時はもちろん、京都競馬場への移動手段として使う時もあるので、どちらの競馬場で行われてもしっくりくる。しかし、京阪電車=京都競馬場のイメージだ。ちょっと気になって、11月末に行われる京阪杯はどうなったのかと調べると、今年は阪神競馬場で行われるとのこと。これもピンとこない。
それはさておき、阪急杯がいつもの阪神で行われるということは、データ予想をしている身にとってはありがたいこと。過去10年の成績を参考にして、何とか好走馬を見つけたい。
4歳馬は苦戦の傾向だが……

阪急杯の勝ち馬には、高松宮記念の優先出走権が与えられる。それは、来週に中山競馬場で行われるオーシャンSも同じ。東西でトライアルが行われることもあって美浦所属馬の参戦は少ないと思っていたが、ここ10年で35頭が出走していた。オーシャンSと距離が違うことも関係しているのだろうが、35頭という数字を見て意外に多いなというのが率直な感想。
一方の栗東所属馬は129頭が出走して7勝、2着8回。ただし、勝率、連対率では美浦所属馬が上回っている。オーシャンSではなく輸送のあるこちらを選択したのには、それなりの自信があっての西下なのかもしれない。

年齢別で気になったのは、4歳馬が意外に苦戦しているということ。ここ10年で4歳馬が連対したのは4回。勝ったのは2014年のコパノリチャードだけで、勝率は3.2%。ほかの重賞と比べてかなり低い数字となっている。
連対した4頭だが、うち3頭はGI馬か、のちにGIを勝つ馬だった。今後GIを勝つ馬がどれか分からないとして、今回出走する4歳馬ではレシステンシアがGIを勝っている。この馬に関しては減点対象から外していいだろう。
最も成績がいいのは5歳馬。最多の5勝を挙げ、勝率12.5%は断トツの数字だ。6歳馬の3勝、6連対という数字も悪くないが、7歳以上になるとまた下がってくる。特に栗東所属馬で7歳以上だと【0-1-1-37】。この条件に当てはまる馬は割り引きたい。

性別では牡馬・セン馬が9勝、牝馬は1勝。基本的に牡馬・セン馬を中心に考えていいが、連対率では大きな差は見られない。牡馬・セン馬の場合、57キロ以上を背負った馬が4勝しており、勝率も20%と優秀。逆に牝馬は55キロを背負うと連対馬が出ていない。


阪急杯と相性のいい前哨戦は阪神C。このレースを経由してきた組から7頭の連対馬が出ている。逆に連対馬が出ていないレースは東京新聞杯、マイルCS、淀短距離S、そしてスプリンターズS。前走でここを走っていた馬は減点対象となる。
前走をクラス別に分けると、各条件でまんべんなく連対馬が出ている。ただ、前走で条件かオープンに使っていた牝馬に限ると、該当する10頭全てが着外となっている。同じくマイナスデータとして、前走で逃げていた馬は8頭が出走して8頭とも馬券に絡んでいない。
チャンプにふさわしい
阪急杯のデータをまとめると、好走パターンにあたるのはA「5歳馬、次いで6歳馬」B「牡馬で57キロ以上」C「阪神C組」。
マイナスデータはD「4歳馬、または栗東所属で7歳以上」E「牝馬で55キロ、または前走が条件戦かオープン」F「東京新聞杯、マイルCS、淀短距離S、スプリンターズS組」G「前走で逃げた馬」となる。
好走データを全て満たし、かつ減点がないのはインディチャンプだけ。実績馬でほとんどの馬より重い57キロでの出走となるが、このレースに関しては背負っている牡馬の好走率が高く、これすらもプラス材料。阪神Cの3着は新馬戦以来の1400mだったというのも多少は影響したと思うが、続けて同じ距離を使うことで前走以上に流れに乗れるはず。信頼の軸だ。
インディチャンプには及ばないが、ジャンダルム、ダノンファンタジー、タマモメイトウは好走データが2つあり、かつ減点なし。阪神C組がワンツーを決めたのもここ10年で2回あり、二度あることは三度あるかも。馬券に絡んだ阪神C組は7頭いるが、その着順は6、10、4、3、7、4、2着。中間ぐらいの着順だった馬がよく絡んでいるので、前走7着のジャンダルムを相手筆頭としたい。
人気が予想されるレシステンシアはどうか。4歳馬でも減点なしと書いたが、好走データがないうえに、連対がない「前走で逃げた」馬。データ的には見送りが妥当だろう。ベストアクターは昨年ここを勝って以来の出走。半年以上の間隔が開くと【0-0-0-5】。狙いは次走以降としたい。
最後に1頭挙げるならカツジを推したい。臨戦過程(マイルCS組)で減点となっているが、今回57キロを背負っている牡馬はインディチャンプとこの馬だけ。押さえておいて損はないはずだ。
◎インディチャンプ
◯ジャンダルム
▲ダノンファンタジー
△タマモメイトウ
×カツジ
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
最近、カレーにはまっています。毎日がカレー曜日となってますが、外出の自粛ムードと費用のことを考えてほとんどがレトルト。50年近く生きてきて、サラサラよりドロドロしたカレーの方が好きだと初めて気づきました。ちなみに、肉は塊派ではなく薄切り派であります。

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