中山芝1800mの概要
今週は中山芝1800mを舞台にGⅡ・中山記念が行われる。春の中距離王決定戦、GⅠ・大阪杯に向けての重要な前哨戦だ。中山金杯で重賞初制覇を飾ったヒシイグアス、逃げの一手で昨年のクラシック戦線を盛り上げた重賞2勝馬バビットなどが伝統の一戦に臨む。
当該コースが舞台の重賞は4レース。グレード順に今週のGⅡ・中山記念、皐月賞のステップレースの一つであるスプリングS、GⅢはクラブ所属の牝馬などが引退レースに選ぶことも多い中山牝馬S、3歳牝馬限定戦のフラワーCが行われる。2回中山開催に重賞が集中しているこのコースの特徴を過去のデータから分析していこう(使用するデータは2016年2月27日〜2021年1月24日)。
まずはコース紹介。スタンド前の直線坂下をスタートしてすぐに1コーナーへと差し掛かり、向正面半ばまで緩やかな坂を下っていく。ほとんど傾斜のない3コーナーから4コーナーを通過したのち、中山名物・わずか310mしかない直線と高低差2.2mを誇る急坂が最終関門として馬たちに立ちはだかる。
とにかく前で運ぶ馬を買う

<中山芝1800m・過去5年の枠別成績>
1枠【13-14-15-191】勝率5.6%/連対率11.6%/複勝率18.0%
2枠【23-19-10-197】勝率9.2%/連対率16.9%/複勝率20.9%
3枠【20-23-18-212】勝率7.3%/連対率15.8%/複勝率22.3%
4枠【22-17-22-228】勝率7.6%/連対率13.5%/複勝率21.1%
5枠【24-28-21-231】勝率7.9%/連対率17.1%/複勝率24.0%
6枠【22-20-35-244】勝率6.9%/連対率13.1%/複勝率24.0%
7枠【26-22-33-260】勝率7.6%/連対率14.1%/複勝率23.8%
8枠【28-35-25-264】勝率8.0%/連対率17.9%/複勝率25.0%
複勝率ベースでは内枠から外枠にかけてきれいに数値が上昇しており、したがって最も好走率が高いのは8枠、逆に凡走が多いのは1枠となっている。回収率の観点から見ると6・7枠が抜きんでており、こちらも1枠がワースト。
コーナー4つを通過するコースとあって内枠の重要度が高いと思いきや、データ的には真逆の結果が出ている。ただしクラス別成績を見るとGⅡ(中山記念・スプリングS)に限ってはマウントロブソン、ネオリアリズム、ウインブライトなどが1枠から結果を残している。

<中山芝1800m・過去5年の脚質別成績>
逃げ【26-25-24-108】勝率14.2%/連対率27.9%/複勝率41.0%
先行【93-88-68-391】勝率14.5%/連対率28.3%/複勝率38.9%
差し【50-50-62-638】勝率6.3%/連対率12.5%/複勝率20.3%
追込【4-11-21-668】勝率0.6%/連対率2.1%/複勝率5.1%
中山競馬場全体に言えることではあるが、コース形態上とにかく差しや追い込みが届きにくく、逃げ・先行馬の数値が非常に優秀。終始前で運び、最後まで粘り込みを図るタイプの馬を買うのがベストだ。
対照的に4コーナーを13番手以下で通過した馬は【0-1-1-264】と惨憺たる状況で、どうしても差し馬が買いたい場合もまくり気味にポジションを確保できるタイプであることが絶対条件だ。
蛯名正義、ラスト重賞Vで有終の美なるか

<中山芝1800m・過去5年の種牡馬別成績>
ディープインパクト【35-20-21-120】勝率17.9%/連対率28.1%/複勝率38.8%
マンハッタンカフェ【4-5-6-31】勝率8.7%/連対率19.6%/複勝率32.6%
ハーツクライ【14-10-4-81】勝率12.8%/連対率22.0%/複勝率25.7%
種牡馬別成績ではディープインパクトが格の違いを見せつけている。下級条件を中心に勝率が高いのはもちろん、重賞でも【6-2-3-27】と大きく数字を落とさず堅実な走りを見せている。中山記念に出走する唯一の該当馬フランツは残念ながら除外対象だが、今開催で施行される当該コースの重賞で活用したいデータだ。
サンプルこそ少ないものの複勝率3割超えを果たしているのがマンハッタンカフェ産駒。前走で4角3番手以内につけた馬に限定すると【2-3-2-8】複勝率46.7%とさらに信頼度が増す。前走中山金杯で4コーナーを2番手で通過、しぶとく3着に食い込んで波乱を演出したウインイクシードが再度輝きを放つシーンに期待したい。
1番人気が濃厚のヒシイグアスはハーツクライ産駒。同産駒はまずまずの数字だが、過去5年のGⅡでは【0-0-0-7】と苦戦が続いている。最後にGⅡで馬券になったのは6年前の中山記念を勝ったヌーヴォレコルト、7年前のジャスタウェイまでさかのぼり、どちらも超一流馬。スワーヴリチャードなどの一線級も4着以下に敗れている点には留意したい。

<中山芝1800m・過去5年の騎手別成績>
ルメール【16-6-8-21】勝率31.4%/連対率43.1%/複勝率58.8%
蛯名正義【6-4-6-35】勝率11.8%/連対率19.6%/複勝率31.4%
内田博幸【7-7-4-90】勝率6.5%/連対率13.0%/複勝率16.7%
騎手別成績ではルメール騎手がいつものようにトップ。中山を主戦場とする美浦のトレーナーとのコンビで勝ち星を量産しており、回収率も水準以上。中山記念に騎乗予定だったクラージュゲリエは賞金順の関係で出走が難しいものの、今後も頼りにしなければいけないジョッキーだ。
いよいよ今週の中山記念が現役最後の重賞騎乗となる蛯名正義騎手もなかなかの好データが揃っている。こちらも美浦所属の調教師と相性が良く【6-4-6-29】複勝率35.6%、単複ともに回収率120%以上。かつて青葉賞を制したゴーフォザサミットとのコンビで有終の美を飾るシーンが見たい。
上位人気が確実のバビットに騎乗する内田博幸騎手は微妙な成績で、単勝回収率50%・複勝回収率58%からも推奨はできない。オープンクラス以上では【0-1-0-18】と複勝率が5.3%しかなく(5番人気以内も7頭いた)、馬券の爆発力を高めるなら消したいところ。
堀・国枝の2トップ

<中山芝1800m・過去5年の調教師別成績>
堀宣行【14-6-4-24】勝率29.2%/連対率41.7%/複勝率50.0%
国枝栄【9-14-9-34】勝率13.6%/連対率34.8%/複勝率48.5%
相沢郁【3-1-5-23】勝率9.4%/連対率12.5%/複勝率28.1%
調教師別成績では自然と出走回数が多くなる関東のトレーナーをピックアップ。まずは先週カフェファラオでフェブラリーSを制し勢いに乗る堀宣行調教師が結果を出している。
3割に迫る勝率が単勝回収率106%につながっており、上位人気になることの多い同トレーナーだけあって数字以上の価値があるといっていい。中山記念もドゥラメンテとネオリアリズムで制しており、ヒシイグアスで3勝目を狙う。
その他ビターエンダーを手がける相沢郁調教師も単複回収率100%超えの頼もしいトレーナーだ。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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