真冬のGⅢハンデ戦らしく
有馬記念から1週間ちょっと、お正月気分そのままに迎える金杯。中央競馬一年はじめの重賞になったのは、1961年からもう60年以上続く新春恒例行事だ。
20年日曜日、19年土曜日、18年は6日土曜日と土日施行が続き、21年は17年(木曜日)以来の平日施行になる。仕事はじめと競馬はじめが重なるジレンマを、競馬ファンは久々に味わうことだろう。
それでも競馬ファンは金杯を買う。それは、めでたいからか縁起物だからか。それとも有馬記念からわずかな期間だが、中央競馬を買えない時間を鬱々と過ごし、我慢できずに買うのか。ついつい手を出さずにいられない金杯。
だがしかし、中山金杯の条件を冷静にみれば、真冬のGⅢ、芝2000mのハンデ戦と難易度はかなり高く、正直ややこしい一戦である。ここでは穴馬候補を中心に、過去10年間のデータを基に分析する。
なんだかんだ煽りながらも、1人気は【3-1-3-3】勝率30%、複勝率70%で馬券購入者のジャッジはかなり信頼できる。消しという判断はオススメできない。おおむね5人気以内の成績は上々で、過去10年の勝ち馬はすべてこの範囲内に入る。
一方で2着は6~8人気から4頭、10人気以下から1頭、さらに3着は9人気1頭、10人気以下から2頭出現。穴馬の馬券圏内突入の可能性は十分ある。
4歳【3-2-2-16】勝率13%、複勝率30.4%、5歳【3-4-3-20】勝率10%、複勝率33.3%が主力にちがいない。
特に5歳は上位人気サイドばかりで、最低でも6人気2着(17年クラリティスカイ)。4歳も当然1人気【2-0-1-0】など上位人気はきっちり走るものの、7人気2着(19年ステイフーリッシュ)、9人気3着(19年タニノフランケル)など穴も出現する。
もっとも警戒したいのは、6歳【3-4-3-32】や7歳【1-0-2-33】のベテラン勢。ベテランといっても一週間前までは5、6歳だったわけで、数字のイメージにとらわれたくない。
10人気以下で馬券に絡んだ3頭(11年11人気2着キョウエイストーム、18年10人気3着ストレンジクォーク、20年11人気3着テリトーリアル)は、いずれも6歳だった。ただし7歳で馬券に絡んだ3頭は、すべて5人気以内なので注意したい。
全体では53キロ以下で馬券圏内はたった1頭。あまり軽量馬は走らない傾向がある。56キロ以上が【8-6-6-57】と大半を占めるも、回収値では56~57キロ単勝回収値32、複勝回収値50(20年11人気3着テリトーリアル56キロ)。
対して57.5~59キロは、回収値で185、147と大きく上回る。これは【3-2-2-5】と出走数が少ないわりに好走例が多いからこその数値で、馬券圏内にきた7頭は5、5、1、1、6、3、2人気で3、1、2、3、2、1、1着。
トップハンデに近い斤量を背負う馬は上位人気でも嫌わず、むしろ積極的に狙いたい。