冬のダート重賞、大型馬が強いのか?
カペラSは冬のダート戦ということもありパワーの要る側面と、1200mという短距離のためスピードも大事という側面があり、予想する側にとってバランスをとるのが難しい重賞。だからこそ、読み切れればとっても気持ちのいいレースではないだろうか。

冬のダート=パワーは方程式みたいなもの。わかりやすい例で言えば、馬体重が重い馬ほど成績がよいのはデータ派にとって基本中の基本だ。しかし、カペラSは短距離戦。勝ち馬だけ傾向を見ると馬体重が軽い馬でも平気で馬券に絡んできている。
冬のダートだからと軽量級を外すと痛い目にあいそうだ。ただし、複勝率ではやはり500kg超えの方が若干成績がよい。1着は体重を気にせずに選び、2、3着に重量級を優先する程度がよさそうだ。
1番枠の馬が突っ張るか、外が叩くか
中山ダート1200mといえば芝スタート。外枠のほうが芝を走る距離が長く、ダッシュを決めやすいトリッキーなレイアウト。そのため「外枠を無条件に狙う」というのもファンには長く定着している戦法なのだが、カペラSに至っては一概にそうともいえない。

創設以来の12回で1番枠の馬が3勝し、2着1回、3着1回の好成績となっている。内容を見ても16年ノボバカラの逃げ切り、14年のダノンレジェンドの逃げ切りと、「イン逃げ」が2勝している。また、ノーザンリバーが4番手から勝った13年は逃げたのが3番枠、2番手が2番枠で、その後ろから抜け出した形。外枠勢がスタートで後手を踏んでいた。
最内1番枠がガンガン先行し、芝を走る距離の短さを克服したときには一転して逃げ切りが期待できるということ。ダートだが短距離らしい感性が予想に必要そうである。今年1番に入ったのはスズカコーズライン。人気もなさそうだが、逃げたいタイプではあるので押さえて損はないだろう。
一方、2番枠の馬が勝ったのは2度とも追い込み。14番手から差し切った18年コパノキッキングのときは逃げたのが11番枠。12番手から勝った08年のビクトリーテツニーは逃げた馬こそ4番枠の馬だが、2番手以下は13番、11番、12番。11番付近の中~外枠が被せてきたときに、しっかり引いて差しに回すのが2番枠の勝ちパターンとなる。今年の2番枠はヒロシゲゴールド。逃げの競馬を身上としているだけに、好走パターンにハマるかは微妙なところ。
ちなみに、13番から外枠も4勝しているが、逃げ切りはない。もっとも前だったのは11年、15頭立て15番枠だったケイアイガーベラ(2番手)だった。
ハイレベルなダート短距離戦ゆえに各馬が前々で競馬したがるため、内枠以外で逃げるとその時点で消耗する傾向にある。逃げを買うなら内枠が必須、先行争いが起こると見れば、2番枠が差しに回して追い込める馬かを考えるのがよさそうだ。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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