5つのデータから絞れた馬は?
先週の『チャンピオンズC』では、本命アルクトス、対抗クリソベリル、そしてクリンチャーとサンライズノヴァを押さえたが、すべて馬券圏外に沈んだ。チュウワウィザードとインティを複勝率9.6%の条件で消去してしまったことがまんまと裏目に出てしまった。
今週の対象レースは、2歳女王決定戦『阪神ジュベナイルフィリーズ』。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、馬券対象から1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年はどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。
『前走3番人気以下』×『前走人気<前走着順』★0.0%★
1つ目の消去データは、前走の人気と着順から、過去10年の複勝率が0.0%の条件を探した。前走3番人気以下で、人気を下回る着順に終わった馬は【0-0-0-20】で、すべて馬券圏外に沈んでいた。
今年この条件に当てはまったのは、重賞勝ち馬のリンゴアメを含め4頭。巻き返しは困難と見て、まず以下の4頭を消去する。
【今年の該当馬】
・ウインアグライア
・サルビア
・ユーバーレーベン
・リンゴアメ
『前走新馬・未勝利・1勝クラス』×『非SS系』★5.7%★
続いて、前走クラスと血統の組み合わせに注目した。新馬、未勝利、1勝クラスからの参戦は過去10年で合計76頭いて、その成績は【2-3-3-68】だった。このうち父がサンデーサイレンス(SS)系だった場合は、【2-1-3-35】で、複勝率は14.6%とまずまず。一方、非SS系は【0-2-0-33】で、複勝率は5.7%まで落ち込む。
今年この条件に当てはまったのは4頭。偶然にも抽選対象の4頭が名を連ねたが、たとえゲートインにたどり着いても、好走は難しいかもしれない。
【今年の該当馬】
・シゲルピンクルビー
・ジェラルディーナ
・ナムラメーテル
・ルース
『前走馬体重450kg未満』×『3月以降生まれ』★7.1%★
3つ目のデータでは、馬格と成長という2つの視点で消去データを探した。前走の馬体重が450kg未満だった小柄な馬は過去10年で79頭が出走し、【3-3-3-70】(複勝率11.4%)だった。このうち、1~2月生まれの馬は【2-2-1-18】で、複勝率21.7%。一方、生まれた月が3月以降だと【1-1-2-52】で複勝率7.1%と、10%を下回った。
この条件に当てはまったのは消去済みを含めて合計7頭。新たにポールネイロンなど5頭を消去する。3月1日生まれのルクシオンはあと1日早く生まれていれば、消去を免れたのだが……。
【今年の該当馬】
・エイシンヒテン
・オパールムーン
・(ジェラルディーナ)
・フラリオナ
・ポールネイロン
・(リンゴアメ)
・ルクシオン
『前走初角3番手以内』×『今回馬番12~18番』★0.0%★
4つ目のデータは枠順が関わるため、執筆時点では取捨を確定できない。取り上げるのは、前走最初のコーナーを1~3番手で通過した馬だ。これらの馬が阪神JFで外目の枠(馬番12~18番)に入った場合は、過去10年で【0-0-0-21】だった。1~11番は【3-2-3-31】なので、その差は歴然。先行したい馬にとって外目の枠を引くと厳しい。
3つのデータを経て消去を免れた馬の中で前走初角3番手以内だったのは、1番人気が濃厚のソダシだけ。先行力を武器にデビュー3連勝を飾った白毛馬が12~18番枠に入れば消しとしたい。ただし、阪神1600mは1枠の先行馬が馬券に絡む確率が非常に高いコース。もしソダシが1枠(白帽)に入った場合は、評価を上げる予定だ。
【今年の該当候補(消去済みの13頭を除く)】
・ソダシ
『前走から中3週以内』×『今回同体重or馬体重増』★4.5%★
最後のデータは、前走からのレース間隔を取り上げる。前走から中3週以内と中4週以上に分けて過去10年のデータを比較すると、前者は【3-1-2-59】、後者は【7-9-8-89】。詰まったローテーションはあまり良くないことがわかる。さらに中3週以内の馬が、阪神JFで馬体重が減っていなかった場合、その成績は【0-0-1-21】まで下がる。寒い時期に開催されるこのレースだが、当日までにしっかり馬体重を絞ってきた馬のほうが好走率は高い。
最後は馬体重の増減次第なので、レース1時間前まで確定できない。残っている馬の中で、前走から中3週以内で出走予定の馬はアオイゴールドだけだ。
【今年の該当候補(消去済みの13頭を除く)】
・アオイゴールド
5つのデータを経て、消去を確実に免れるのは、インフィナイト、サトノレイナス、メイケイエール、ヨカヨカの4頭。ソダシとアオイゴールドは条件付きで消去を免れる。執筆時点の本命候補としては、インフィナイト、サトノレイナス、そして1枠に入った時のソダシの3頭の名前を挙げておく。
※12月8日時点で、アオイゴールド、ジェラルディーナ、シゲルピンクルビー、ナムラメーテル、フラリオナ、ルースの6頭が5つの枠を巡って抽選対象。ドリアードは回避予定。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。
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