日本シリーズ終了
東京よみうりカントリークラブで12月2日~5日に開催された『日本シリーズJTカップ』の終了をもって、日本男子ツアー2020-2021シーズン全日程が終了した。結果、5人に可能性があった賞金王タイトルは、トップを走っていたチャン・キムが初めて獲得した。
東京よみうりカントリークラブで12月2日~5日に開催された『日本シリーズJTカップ』の終了をもって、日本男子ツアー2020-2021シーズン全日程が終了した。結果、5人に可能性があった賞金王タイトルは、トップを走っていたチャン・キムが初めて獲得した。
チャン・キム今季のドライビングディスタンスこそ2位だったが、2019年と2017年、2016年は1位。日本ツアーに初参戦した2015年は、トップと0.03ヤード差の2位(2018年はツアー出場無し)だった。
そんな日本ツアー屈指の飛ばし屋が、賞金王のタイトルを獲得できたのはアイアンショットとパットの精度が向上したからだ。2015年から毎年のように、パーオン率、平均パット数ともに良化。3度優勝し賞金王争いに加わっていた2017年と比べても、今季の方が良い数字を残している。
パーオン率と平均パット数の向上はスコアの安定につながる。それはトップ10や予選通過の回数に表れている。
今季トップ10入りしたのは9回(出場20試合)で予選通過が18回と、共に回数・確率も過去最高。2017年はトップ10が5回(出場20試合)で予選通過が14回だった。
これらは好不調の波が小さくなったことを意味する。以前は、ドライバーやアイアン、パットがかみ合い調子が良い時は勝ち切れたものの、そうでない時はそのまま崩れ去っていた。
だが、今季はアイアンショットとパットの精度が向上したことで調子の悪い部分をカバーでき、スコアをまとめることができた。よって高確率で予選を通過し、上位に顔を出すようになったのだ。
2018年3月に行われたWGCメキシコ選手権の練習日、木の根元からショットした際に手首を骨折したため、全試合出場できなかった。完治に5ヵ月かかり、そこからリハビリに半年。精神的に参った時期もあったようだ。
しかし実は、2017年の日本シリーズJTカップ2日目に生じた腰の痛みが癒えないままWGCに出場していたため、そのまま試合に出続けていれば腰が悪化していた可能性もあった。腰を休めるための長期休養と考えれば、意味があったと考えられるのではないだろうか。
来年、米下部ツアーの予選会に挑戦する予定のチャン・キム。今年挑戦するプランもあったが、コロナの影響もあり見送ることにした。
世界基準に達している飛距離は、米ツアーでも十分通用するだろう。また、他のカテゴリーのスキルも着実にレベルアップしている。このペースを保つことができれば、2023年は米下部ツアーを主戦場として躍動できるはずだ。
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