長く持ちすぎる傾向にある多くのゴルファー
多くのゴルファーは、グリップを長く持ちすぎている。手の平の小指側がグリップエンドからはみ出るぐらい、長く持っているゴルファーが多い。
ヘッドスピードを少しでも上げようと、無意識に長く持つようだ。物理的に考えれば、長く持つ方がヘッドスピードは上がるのかもしれない。しかし、クラブの挙動が不安定になるというリスクも生じる。
今回は、グリップを長く持つことのメリットとデメリットについて解説する。
多くのゴルファーは、グリップを長く持ちすぎている。手の平の小指側がグリップエンドからはみ出るぐらい、長く持っているゴルファーが多い。
ヘッドスピードを少しでも上げようと、無意識に長く持つようだ。物理的に考えれば、長く持つ方がヘッドスピードは上がるのかもしれない。しかし、クラブの挙動が不安定になるというリスクも生じる。
今回は、グリップを長く持つことのメリットとデメリットについて解説する。
長く持つと、クラブの遠心力が大きくなりヘッドスピードを出しやすくなる。また、ヘッドの重さも効かせられるので、インパクト時にボールへの衝撃を大きくすることができる。つまり、遠心力と重力を活用し飛距離を伸ばすのだ。
ただし、クラブの遠心力が大きくなると、体のバランスを崩しやすくなる。スイング中にバランスを崩せば、ダフリ、トップ、シャンクなどのミスにつながる。どれだけヘッドスピードを出すことができても、ミスヒットしてしまっては意味がない。
また、クラブヘッドの重さがより効いてくると、ダウンスイングでクラブヘッドが早く落ちやすくなるため、これもミスにつながる。さらに、クラブヘッドが早く落ちることで手元が先行(ハンドファースト)してしまうと、インパクトが難しくなる。ボールに当たったとしても飛距離にロスが出てしまうのだ。
2年連続賞金王の今平周吾は、全番手でグリップを短く持つ選手として知られている。ウェッジなどを極端に短く持つツアー選手はいるが、アイアンやドライバーすべてでグリップエンドを多く余らせて持つ選手は少ない。今平は短く持つ理由について「腕とクラブが調和しやすくなる」「飛距離が落ちない」と言っている。
9月10日から開催された日本女子プロゴルフ選手権で優勝を争い、2位タイに入った田辺ひかりも短く持っている。今平以上に短く持っており、ドライバーでもグリップの下の方を持っていた。インスタグラムのスイング動画を見ると、グリップの中間部を持っている時もある。状態によって、持つ長さを調整しているのだろう。
ならば、「最初から短くしたクラブを使えば良いのではないか」と感じるかもしれない。だが、短いクラブと標準の長さのクラブを短く持つのとでは、クラブヘッドの重さの感じ方が違う。また、グリップの構造はグリップエンドが最も太く、そこから徐々に細くなるため、握った時の感覚も異なる。短く持つことに意味があるのだ。
今平や田辺のように短く持ってみてはどうだろうか。「意外に飛距離が落ちない」「ミート率が上がった」と感じるかもしれない。短く持つことで、スイング中、ボールに当たる安心感が生まれ、スイングの課題に集中しやすくなる。良い動きを覚えられると、長く持った時に長く持った分、ボールに力を伝られる可能性が高まる。
物理的にボールを遠くに飛ばせる構造をしているゴルフクラブだが、多くのゴルファーは、その構造を効果的に活用できていない。そのようなゴルファーはグリップを短く持つことで、ロスなくボールに力を伝えられるようになるかもしれない。是非、試してみて欲しい。
【関連記事】
・イメージ通りのスイングをするために知っておきたい3つのアドレスの基本【ゴルフハウツー】
・メジャー歴代最多勝利まであと3勝 タイガー・ウッズがパターを長くした理由
・脱オーバースイング コンパクトなトップオブスイングにする際の注意点【ゴルフハウツー】