9月17日から全米オープン開催
9月17日から行われるゴルフの全米オープンは、メジャーの中でもハードなセッティングの大会として知られている。脱出困難な長いラフ、硬くて速いグリーン。険しい表情を浮かべながらプレーする選手達がその過酷さを物語っている。
そんな全米オープンに対して、人一倍強い思いを抱いている選手がいる。史上最強レフティと称されているフィル・ミケルソンだ。
9月17日から行われるゴルフの全米オープンは、メジャーの中でもハードなセッティングの大会として知られている。脱出困難な長いラフ、硬くて速いグリーン。険しい表情を浮かべながらプレーする選手達がその過酷さを物語っている。
そんな全米オープンに対して、人一倍強い思いを抱いている選手がいる。史上最強レフティと称されているフィル・ミケルソンだ。
ミケルソンは米ツアーで44勝、メジャーで5勝(マスターズ3勝、全英オープン1勝、全米プロ1勝)をあげている。その中で、唯一優勝していないメジャーが全米オープン。ここで優勝することができれば、グランドスラム達成となる。
これまで何回も優勝するチャンスはあった。ペイン・スチュアートの劇的なパーパットを同じ組で眺めていた1999年大会。タイガー・ウッズとのデッドヒートの末、3打及ばなかった2002年大会など、2位になること実に6回。元々全米オープンのタイトルへの憧れは強かったようだが、ものにできなかったチャンスが増えるほど、タイトルへの思いは一層強まっていることだろう。
2020年大会の会場は、ウィングドフットゴルフクラブ・ウェストコース。ミケルソンが最も優勝に近づいた2006年大会と同じ会場だ。
2006年大会は最終18番ホール、パーで優勝、ボギーでプレーオフという状況だった。多くのゴルフファンは、ミケルソンが念願の優勝を果たすと思っていただろう。
しかし、左ラフからの第2打を無理してグリーン方向を狙い、前方の木に当たったことが大きく影響し、まさかのダブルボギー。手中に収めかけていた優勝トロフィーはジェフ・オギルビーの手に渡る形となった。ミケルソンは最終ホールのプレーについてミスと認め、悔いた。
2016年大会では、グリーン上でまだ動いているボールを打ち返すという前代未聞の行動をして物議をかもした。もちろんこれはルール違反で、本人は「2打罰と知っていた。ボールがグリーンを出てしまうと判断してやった」と述べている。
高速グリーンに思うように対応できない苛立ちだけでなく、全米オープンに対する強い思いがそうさせてしまったのだろう。
ミケルソンは今年50歳になった。8月のシニアツアー(チャンピオンズツアー)デビュー戦で優勝したものの、近年はメジャーで予選落ちが目立つなど、さすがに衰えが見え始めている。しかし、 ドライビングディスタンスは300ヤードを超え、今季7月30日から開催された世界ゴルフ選手権では2位。まだまだ、レギュラーツアー、さらにはメジャーで優勝を狙うことは可能なはずだ。
もし、ミケルソンが全米オープンで優勝すれば、グランドスラムとメジャー最年長記録更新を同時に達成することになる。米国に大きな感動と勇気を与えられるのではないだろうか。
観客の声援に応える優しい笑顔が特徴的なミケルソン。次に来たチャンスは逃さずに、トロフィーを掲げてはじける笑顔を届けて欲しい。
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