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【ゴルフ】飛距離増に心血注ぐデシャンボーらドラコン選手達がドライバーのロフト角を5.5度にする理由

2020 10/12 06:00akira yasu
2020年全米オープンで優勝したブライソン・デシャンボーⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

方向性を犠牲にしてまでも飛距離を出しにいくデシャンボー

9月17日から20日に開催された全米オープンではブライソン・デシャンボーが優勝した。2位とは6打差の6アンダー。唯一のアンダーパーでの優勝となった。

優勝の鍵となったのはドライバーの飛距離。多くの選手が全米オープン特有の長いラフを避けフェアウェイキープを最優先とする中、デシャンボーはラフおかまいなしに少しでも遠くへと考えコースを攻めた。結果、ドライビングディスタンス325.8ヤード(出場選手中7位)、フェアウェイキープ率41%(同26位タイ)、トータルドライビング11位タイでの優勝となった。

デシャンボーの飛距離を支えるのは、驚異的なヘッドスピード。ツアー休止中に改造した肉体がそのヘッドスピードの源になっている。しかし、それだけではない。選択したロフト角5.5度のドライバーが、ヘッドスピードを活かすギアとして機能している。

パターのロフト角が4度程。5.5度のドライバーは構えると、パターのようにフェースが絶壁に見える。ちなみに一般のゴルファーが使用するドライバーのロフト角は10度前後、ツアー選手では9度前後が多いようだ。

ヘッドスピードが速いほどスピン量が増えやすい

飛距離には、ボールスピード、打ち出し角、スピン量という3大要素がある。ボールスピードが速く打ち出し角とスピン量が適正であることで、より飛距離を出すことができる。

●ボールスピード:ボール初速
●打ち出し角:地面に対してボールが飛び出す角度
●スピン量:インパクト直後のバックスピン量

米ツアーの2020年のデータでは、ボールスピードのツアー平均が75.867(メートル/秒)、打ち出し角の平均が10.49(度)、スピン量の平均が2542.1(回転/秒)となっている。

デシャンボーのロフト角5.5度のドライバーについて語る上で重要な項目が、スピン量だ。スピン量はヘッドスピードが速いほど増えやすく、増え過ぎてしまうと飛距離をロスする。肉体改造によって得たヘッドスピードを飛距離に結びつけるためには、スピン量の増加をいかにして防ぐか、が重要なのだ。

スピンロフトを小さくする

スピン量は打点の影響もあるが、インパクト時のスピンロフト(ロフト角とクラブヘッドの入射角の差)が大きく影響する。スピンロフトが大きくなるほど、スピン量が大きくなる。

インパクトロフト10度(+10)で3度アッパー(+3)であれば、スピンロフトは7度。インパクトロフト8度(+8)で3度ダウンブロー(-3)であればスピンロフトは11度。この場合スピン量は、後者の方が大きくなりやすい。つまりドライバーのロフト角を小さくすれば、インパクトロフトとスピンロフトを小さくできる。

デシャンボーは、ドラコン競技(ドライバーの飛距離を競う競技)で戦う多くの選手がそうしているように、ドライバーのロフト角を縮めることでスピンロフトを小さくすることにしたのだ。

アッパーブローでスピン量を抑える

デシャンボーはドライバーショットでティアップを高くしてアッパーブローで打ち、スピン量を抑えている。アッパーブロー(+)の度合いが強いほど、スピンロフトは小さくなるからだ。また、小さいロフト角のクラブでもアッパーブローで打てば、インパクトロフトが増え、打ち出し角を適正にできる。

報道では、デシャンボーはさらなる飛距離アップを試みるとのこと。ヘッドスピードアップのために、ルールぎりぎりの48インチドライバーの使用を検討しているという。ゴルフの概念を覆す勢いのデシャンボーの飛距離や使用ギアに、引き続き要注目だ。

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