女子SPは2月15日、フリーは2月17日
北京冬季五輪のフィギュアスケート女子シングルで日本勢は、2018年平昌冬季五輪6位で21歳の坂本花織(シスメックス)、いずれも初出場となる21歳の樋口新葉(明大)、17歳の河辺愛菜(木下アカデミー)の3人が大一番に挑む。
日程は2月15日にショートプログラム(SP)が行われ、2月17日がフリー。それぞれ3選手はスケーターとしてどんな武器があるのか。磨き上げた独自のスタイルと表現力でメダル争いに絡めるかどうかが焦点になる。
北京冬季五輪のフィギュアスケート女子シングルで日本勢は、2018年平昌冬季五輪6位で21歳の坂本花織(シスメックス)、いずれも初出場となる21歳の樋口新葉(明大)、17歳の河辺愛菜(木下アカデミー)の3人が大一番に挑む。
日程は2月15日にショートプログラム(SP)が行われ、2月17日がフリー。それぞれ3選手はスケーターとしてどんな武器があるのか。磨き上げた独自のスタイルと表現力でメダル争いに絡めるかどうかが焦点になる。
紀平梨花(トヨタ自動車)がけがで離脱し、まずは北京五輪で日本のエースに成長しつつある坂本。4年前は初めて五輪代表に選ばれ、シニア1年目の17歳のシンデレラガールだったが、立場も変わった。世界はロシア勢を中心に4回転の高難度ジャンプ時代が加速する中、ジャンプの質や演技の完成度で勝負する。
最大の武器はスピード感のある豪快なジャンプだろう。高得点を出せる4回転やトリプルアクセル(3回転半)といった大技は取り入れてないが、例えばSPの演技冒頭のダブルアクセル(2回転半)はスピードを生かした踏み切りから着氷まで跳躍の高さと幅が目を見張り、美しい放物線を描けるジャンプが強みだ。
演技構成点を得るために技と技の「つなぎ」にも重点を置いており、着氷した後も流れるように次につなぐことができるのも審判から高評価を得られるアドバンテージとなる。
表現面はタッグを組むブノワ・リショー氏による振り付けで全身を縦横無尽に使ったダイナミックな動きを要求され、フリーでも観客を引き込む「女性の強さ」を演じられるまでに急成長した。
必殺技がなくてもジャンプの精度やスケーティング技術を高め、表現力も磨いてきた坂本は「総合力」でロシア勢の一角を崩す覚悟で演技する。
2018年世界選手権2位の樋口は、大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が最大の武器。4年前の平昌五輪は最終選考会の全日本選手権で4位に終わり、あと一歩で代表になれなかった。
その悔しさをモチベーションに変え、トリプルアクセルを習得した。北京五輪ではフリーだけでなく、SPでもトリプルアクセルに挑戦することを表明している。
3歳でスケートを始め、2015、2016年の世界ジュニア選手権で3位に入った実力者。フリーの「ライオンキング」は躍動感がある力強いジャンプを次々と決め、勢いに乗ればロシア勢も脅かす爆発力を秘めている。
この曲の持つエネルギーや生命力も演技に反映し、観客にパワーを伝えられることも樋口の持ち味。トリプルアクセルは大きな武器となるが、演技全体の表現力やエネルギーも彼女から見逃せない。
17歳の河辺愛菜はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の精度を上げて急成長を遂げ、北京五輪の代表に滑り込んだ新星だ。「繊細」というより、若さあふれる「大胆」な演技で大きな「伸びしろ」を感じさせる勢いが武器だ。
5歳でスケートを始め、紀平梨花に憧れて浜田美栄コーチに師事して3回転半を習得。2019年の全日本ジュニア選手権で初優勝。今季はNHK杯で2位、北京五輪の代表選考を兼ねた全日本選手権で3位に入った。冬季ユース五輪では4位に入賞している。
世界的ミュージシャンからも激励が届いた。フリー曲「Miracle」を作詞作曲したX JAPANのYOSHIKIもエール。氷上練習だけでなく、バレエとピラティスも取り入れて表現力を高めている。
振り付けは浅田真央やパトリック・チャンの振り付けも手掛けたローリー・ニコル氏が担当。河辺の伸びやかさを十分に生かした内容で、生き生きとした五輪デビューの日を心待ちにしている。
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