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大きな違いは3つ!ルールを知るだけで車椅子バスケがもっと楽しくなる

2017 4/12 00:24吉田 和喜
バスケットボール
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出典 FXQuadro/Shutterstock.com

最近ではテレビのスポーツコーナーで車椅子バスケが取り上げられることも出てきた。なかなかルールが分からないと楽しめないが、健常者バスケと比べて知らないといけないルールは基本的には3つだけだ。ルールを理解して、車椅子バスケ観戦をもっと楽しもう。

プロ選手だっている車椅子バスケの世界

日本ではまだまだ車椅子バスケを観戦している人は少ないのが現状だ。ただ、海外に目を向けるとプロリーグも存在する。例えばヨーロッパでは欧州リーグが存在し、出場するトップ選手たちは報酬を受けながら車椅子バスケをプレーするプロプレーヤーだ。
そして日本からも香西選手・鈴木選手・千脇選手の3人がドイツ・ブンデスリーガのBGハンブルクに所属している。日本ではまだまだマイナーかもしれないが、こうした海外に挑戦する選手の活躍が周知されることで、車椅子バスケが盛り上がっていくことが期待されている。

基本はほとんど普通のバスケと同じ?

車椅子バスケの基本的なルールは、健常者のバスケとほとんど変わらない。試合時間は10分ピリオド×4回の40分間だ。1チームは5人で、コートの広さからゴールの高さまで同じだ。スリーポイントシュートラインも同じだ。ただ、普通全身を使って打つスリーポイントシュートを上半身の力だけで打つので、難易度はぐっと上がる。バスケの基本となるルールは同じなので、バスケ経験者が見れば違和感なく試合内容を理解できるはずだ。
ただし、障がいのある選手がプレーするということで、特有のルールが大きく分けると3つほどある。1つずつ見ていこう。

1.ダブルドリブルがない

車椅子バスケでは、ダブルドリブルのルールがない。ドリブルしてボールを持ち、またドリブルすることを何度繰り返しても問題ない。ただし、トラベリングのルールは車椅子バスケにもある。ボールを持った状態で、車椅子をこげるのは2度まで、3回以上こぐとトラベリングになる。
そして車椅子バスケではドリブル中・ボールキープ中の転倒シーンがよくあるが、その場合相手ボールのスローインから試合がリスタートする。

2.障がいの重さによってクラス分け

障がいの度合いは各選手によって異なる。そのため公平性を期すために、選手の障がいに応じて1.0から4.5ポイントまでクラス分けされている。1.0ポイントは座位でのバランス保持が困難、4.5ポイントは両手を挙げて両方向に車椅子を傾けることができる、などだ。そしてコートに立つ5人の合計を常に14点以内にしなければならない。
このルールはすべての障がいのある選手が出場できるように設けられたものだが、同時に車椅子バスケの面白さを生むポイントでもある。それぞれの選手の得手・不得手なポイントを理解してチーム構成、戦略を考える必要がある。

3.接触を避ける大原則

車椅子バスケを見ていて最も難しいのが、車椅子の接触に伴うファウルの判定だ。とにかく最初車椅子バスケを観戦すると冷や冷やするぐらい接触プレーがある。車椅子は急には止まれないために、どうしても接触が頻繁に起こるのだ。
そのため原則としてディフェンスは相手が方向転換する時間・距離を保った正当なポジションで守る必要がある。急に割り込む仕方でオフェンスのラインに入り込むと、オフェンスに回避する余地を与えなかったことでディフェンスファウルとなるのだ。逆にディフェンスが正当なポジションに入った状態でオフェンスと接触すればオフェンスファウルとなる。

まとめ

少しづつ日本でも浸透しつつある車椅子バスケ。欧州ではプロリーグが存在するほど人気がある。
基本的なルールは健常者のバスケと同じだが、車椅子バスケ特有のトラベリングやクラス分け、ファウル判定などを理解するだけで車椅子バスケ観戦ぐっと楽しくなる。