飛躍の年としたい藤原恭大
2024年に「年男」を迎えるのは、2000年生まれの24歳、1988年生まれの36歳となる選手たちだ。2024年の干支は「辰」。辰年生まれの年男たちを球団ごとに紹介していく。今回は2025年までに「常勝軍団」化を目指すロッテの選手を取り上げる(支配下選手のみ)。
若手のホープからチームの主力へ。ロッテ野手陣には、そんな期待を背負う2000年生まれの年男が3人いる。その筆頭が6年目を迎える藤原恭大だ。大阪桐蔭高3年時に甲子園春夏連覇を成し遂げ、鳴り物入りで入団。高卒ルーキーながら1年目に開幕スタメンに抜擢されるなど将来を嘱望されたが、その後は期待通りの成長曲線を描けていない。
5年間で262試合に出場し、打率.227、12本塁打、60打点。昨季は自己最多の103試合出場で、打率.238、3本塁打、21打点と、3球団競合のドラ1としては物足りない数字が並ぶ。同学年で中央大から阪神へドラ1で入団した森下翔太は、昨季1年目から日本一に貢献。藤原も今年一皮むけて優勝の原動力となるような働きを見せたいところだ。
2人目は藤原と同期入団の山口航輝。4年目の2022年にチームトップの16本塁打を放ち、一躍4番候補に名乗りを上げたが、昨季は自己最多の115試合に出場しながら14本塁打に終わった。今年は4番の座を不動のものとするために、目標とする30本塁打、そして自身初の本塁打王獲得を目指す。
3人目は遊撃のレギュラー定着を狙う友杉篤輝。ルーキーイヤーの昨季は、開幕一軍入りを果たし、初スタメンでプロ初安打を放つなど、64試合に出場して打率.254、47安打、9打点、9盗塁をマーク。藤岡裕大との併用ながら52試合で遊撃のポジションを守った。
今季は背番号が「10」から昨季まで藤岡が付けていた「4」に変更。その藤岡は今季から二塁へコンバート予定のため、友杉は期せずして遊撃レギュラーの最有力候補に。首脳陣から大きな期待を受けて臨む今シーズン、2年目のジンクスをはねのけ、定位置確保なるか注目だ。
ベテラン澤村拓一とフレッシュな菊地吏玖&大谷輝龍
一方の投手陣では、1988年生まれのベテラン澤村拓一と、2年目の菊地吏玖、ドラ2ルーキー・大谷輝龍の2000年生まれコンビが年男だ。
澤村は3年ぶりにチームに復帰した昨季、コンディション不良に見舞われたこともあり、34試合に登板して4勝3敗3セーブ、防御率4.91と不完全燃焼に終わった。今季は背番号を「54」から「11」に変更して心機一転、闘志あふれるアツい投球を取り戻し、チームを勝利へと導く。
2年目を迎える菊地は1年目の昨季、即戦力として期待されるも、ケガで出遅れた影響もあり、一軍では1試合に先発したのみだった。だが、シーズン終了後に台湾で行われた「アジアウインターリーグ」で9試合に登板して防御率0.00、4ホールドをマーク。この経験を糧に、今年は一軍で躍動したい。
独立リーグBC富山からドラフト2位で入団した大谷は、即戦力リリーバーとして期待がかかる。富山から支配下指名でのプロ入りは、2018年の阪神6位・湯浅京己投手以来で、最速159キロの直球と落差の大きいフォークが武器と投球スタイルも酷似。1年目から侍ジャパンにも選ばれた先輩に並ぶ活躍を見せられるか注目だ。
支配下選手の年男は以上の6選手だが、この男に触れないわけにはいかない。今季から育成契約で再起を図る1988年生まれの石川歩だ。2013年ドラフト1位で入団し、1年目から3年連続で2桁勝利を挙げ、ここまで3度開幕投手を務めてきたチームのエース。だが、昨季はコンディション不良により、プロ10年目で初めて一軍登板なしに終わった。
シーズン終了後の10月末には右肩の手術に踏み切った。投球練習再開まで3~4か月を要するため、焦らずリハビリに専念してもらえるようにとの球団の配慮もあり、今季から育成契約に。2025年の「常勝軍団」完成へ欠かせないピースだけに、エースの完全復活を辛抱強く待ちたい。
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