ドラ1大勢が開幕から守護神に定着
2022年のプロ野球界は、ロッテの松川虎生が高卒捕手として史上3人目の開幕マスクをかぶり、巨人の大勢が新人最多タイの37セーブを挙げるなど、ルーキーの活躍が目立つ1年となった。
そこで球団ごとに一軍で活躍したルーキーの通信簿を作成してみた。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目を5段階で評価している。
今回は5年ぶりのBクラスに終わった巨人を見ていこう。
投手では、ドラフト1位の大勢(関西国際大)、3位の赤星優志(日本大)、育成6位の菊地大稀(桐蔭横浜大)が一軍で戦力となった。
大勢は開幕から抑えに抜擢されると、57試合に登板して37セーブ、防御率2.05の成績。惜しくもセーブ王には届かなかったが、昨年、栗林良吏(広島)がマークした新人最多セーブのプロ野球記録に並ぶ大車輪の活躍を見せた。
赤星は開幕ローテーション入りし、4月3日の阪神戦ではプロ初勝利をマーク。好調なスタートを切ったが、6月に中継ぎへ配置転換、シーズン終盤に先発に復帰するなど、役割が固定されない中、31試合に登板して5勝5敗5ホールド、防御率4.04の成績を残した。
菊地は4月29日に支配下登録を勝ち取ると、その日に一軍デビューを飾り2回を無失点に抑えた。その後も中継ぎとして16試合に登板し、0勝2敗、防御率5.60という成績を残している。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
大勢は直球の平均球速が153.1キロ、K%は27.1と、一軍でもトップレベルの数値を記録し、ともに最高評価の「5」。BB%も5.9と優秀で制球力の評価も「4」、FIPは3.17をマークし、総合評価も「4」となった。来季も守護神としてチームを支え、最多セーブのタイトル獲得が期待される。
赤星は平均球速が145.9キロ、BB%も9.2と平均的で球威と制球力はともに「3」。K%は15.0と奪三振能力もあまり高くなく、特徴のない投球内容だった。来季一軍で活躍するためにも、何か武器を身に付けたいところだ。
菊地は平均球速148.5キロ、K%が25.6と好数値を記録した一方で、BB%は15.9と与四球が多く制球力は最低評価の「1」。これが響きFIPも4.35と悪く、総合評価も「2」となった。来季は制球力に磨きをかけ、一軍定着を狙いたい。
その他の新人選手は一軍登板なしに終わった。2位の山田龍聖(JR東日本)は二軍で9試合に登板して防御率8.69、4位の石田隼都(東海大相模高)は2登板、防御率11.25、6位の代木大和(明徳義塾高)は4登板、防御率5.59、7位の花田侑樹(広島新庄高)は二軍でも登板なしだった。