育成1位の宮森が初登板から22試合連続無失点
2022年のプロ野球界は、ロッテの松川虎生が高卒捕手として史上3人目の開幕マスクをかぶり、巨人の大勢が新人最多タイの37セーブを挙げるなど、ルーキーの活躍が目立つ1年となった。
そこで球団ごとに一軍で活躍したルーキーの通信簿を作成してみた。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目を5段階で評価している。
今回は2年連続でのAクラス入りを逃した楽天を見ていこう。
まずは投手。楽天ではドラフト6位の西垣雅矢(早稲田大)と育成1位の宮森智志(四国IL・高知)の2人が一軍の戦力となった。
西垣は開幕1軍入りを果たすと、中継ぎとして24試合に登板して防御率2.66。比較的な楽な場面での登板が多く勝敗やホールドはなかったが、それでも1年目にしては好成績を残したと言えるだろう。一方の宮森は7月に支配下契約を勝ち取ると、初登板から22試合連続で無失点投球を続け、栗林良吏(広島)の新人記録に並んだ。23試合目に失点したが、失点したのはこの1試合のみで、26試合に登板して1勝1敗1セーブ7ホールド、防御率1.54の好成績を残した。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
西垣は直球の平均球速が147.9キロで球威の評価は「3」、BB%は10.4、K%は15.6といずれも一軍平均を下回り、評価はともに「2」となった。連投時に球速が落ちるなど課題も見つかった1年目。オフの間に改善に取り組み、来季は勝ちパターンに食い込みたい。
宮森は平均球速147.4キロと西垣と同程度だったが、K%は25.0と高い奪三振能力を見せた。BB%は13.0と制球に課題を残したが、FIPは2.55と高水準で総合評価は「4」となった。来季は開幕からセットアッパーとしての活躍が期待される。
その他、4位の秦勝利(神村学園高)は二軍で2試合に先発して防御率6.00、5位の松井友飛(金沢学院大)は1試合に先発して4回4失点、7位の吉川雄大(JFE西日本)は中継ぎで4試合に登板して防御率1.80の成績を残した。