松本竜也が終盤に中継ぎとして好投
2022年のプロ野球界は、ロッテの松川虎生が高卒捕手として史上3人目の開幕マスクをかぶり、巨人の大勢が新人最多タイの37セーブを挙げるなど、ルーキーの活躍が目立つ1年となった。
そこで球団ごとに一軍で活躍したルーキーの通信簿を作成してみた。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目を5段階で評価している。
今回は4年連続Bクラスに終わった広島を見ていこう。
投手では、ドラフト1位で黒原拓未(関西学院大)、2位で森翔平(三菱重工WEST)、5位で松本竜也(Honda鈴鹿)と、大学・社会人の即戦力候補を3人指名した。
森は二軍スタートとなったが、6月に中継ぎとして5試合に登板すると、9月7日にはプロ初先発し初勝利も飾った。最終的に、8試合に登板(先発は2試合)して、1勝0敗1ホールド、防御率1.89の成績を残している。
一軍で最も結果を残したのは松本だった。シーズン序盤は打ち込まれる場面もあったが、8月は防御率2.79、9月には防御率0.82と好投。中継ぎとしてチーム2位の50試合に登板し、4勝2敗4ホールド、防御率3.56と好成績を残した。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
森は直球の平均球速が143.2キロ、BB%は9.2と、いずれも一軍では平均的で評価はともに「3」。一方で、K%は11.5とあまり三振を奪えておらず「2」となった。来季は貴重な先発左腕として開幕からローテーション入りが期待される。
松本は平均球速こそ144.2キロと平凡だが、BB%は6.3、K%は22.5と優秀な投球内容で、総合評価は「4」となった。来季は貴重なセットアッパーとしてブルペンを支えたいところだ。
黒原は中継ぎとして開幕1軍入りを果たし、プロ初登板から7試合無失点投球を続けていたが、その後の5試合で7失点を喫して二軍落ち。上半身のコンディション不良もあり、二軍戦での登板がないまま1年目を終えた。