鵜飼航丞が開幕3連戦から活躍も…
2022年のプロ野球界は、ロッテの松川虎生が高卒捕手として史上3人目の開幕マスクをかぶり、巨人の大勢が新人最多タイの37セーブを挙げるなど、ルーキーの活躍が目立つ1年となった。
そこで球団ごとに一軍で活躍したルーキーの通信簿を作成してみた。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目を5段階で評価している。
今回はセ・リーグ最下位に終わった中日を見ていこう。
中日の新人選手のうち一軍で活躍を見せたのは、駒澤大からドラフト2位で入団した鵜飼航丞のみだった。鵜飼は開幕一軍入りを果たすと、2戦目(対巨人、東京ドーム)にスタメン出場し、プロ初安打を記録。翌日の3戦目には初本塁打を放つなど華々しいデビューを飾った。
だが、6月に入ると月間打率1割台と苦しみ二軍に降格。7月には「左腓腹筋内血腫除去」の手術を受けた影響で離脱し、一軍に復帰したのはシーズン終了間際だった。それでも59試合の出場で打率.206ながら4本塁打を放ち、長距離砲としての片鱗を示した。
野手の各項目は、パワーがリーグの平均ISO(=長打率-打率:長打力を示す指標)、選球眼は同BB/K(四球と三振の割合から打者の選球眼を見る指標)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定した。
鵜飼はISOが.122でパワーは「4」と、持ち前の長打力を一軍の舞台でも発揮。その一方、195打席で64三振、BB/Kも0.14と打撃の粗さが目立ち、選球眼は「1」と課題を残した。途中離脱もあったため貢献度は「2」。来季は持ち味のパワーを生かすためにも、アプローチ面の改善は必須だろう。