過去3年間の盗塁阻止率、捕逸、守備率を比較
プロ野球のフリーエージェント(FA)権を行使した選手が公示された。FA宣言した8人中3人はすでに残留を表明。移籍の可能性がある5人の中に、西武の森友哉(27)、オリックスの伏見寅威(32)、DeNAの嶺井博希(31)と捕手が3人もいるのは珍しい。
目玉は2019年に打率.329で首位打者に輝いた実績を持つ森だが、推定年俸2億1000万円と高いため資金力のない球団は手を挙げにくい。とはいえ、育成が難しい捕手を欲しい球団は少なくないと見られ、3選手とも争奪戦になる可能性もある。
そこで3選手をデータで比較してみた。過去3年間の守備成績は以下の通りとなっている。
今季の盗塁阻止率はほとんど差がないが、昨季以前は差が出ている。森は2021年、盗塁企図数84に対し、刺したのが23回で盗塁阻止率は.274。伏見は2021年、企図数41に対し、刺したのが17回で阻止率.415と3人の中では最も高い。嶺井は2021年、企図数16に対し、刺したのが4回で阻止率.250だった。
2020年は森が企図数93に対し、刺したのが29回で阻止率.312。伏見が企図数27に対し、刺したのが8回で阻止率.296と最も低い。嶺井は企図数14に対し、刺したのが7回で阻止率.500と最も高くなっている。
盗塁阻止率だけで一概には言えないが、例えば、その強肩から「甲斐キャノン」と呼ばれるソフトバンクの甲斐拓也は、2018年に.447、2021年に.452をマークしている。肩の強さだけ見れば、森はやや分が悪いかも知れない。
続いて捕逸は、森が2022年が2個、21年が3個、20年が7個記録。伏見は同じく5個、0個、1個、嶺井は3個、2個、0個となっている。出場試合数が違うため単純比較はできないものの、森は2019年にリーグ最多の捕逸12個を記録。キャッチングはすぐに上達するものではなく、地道な練習の積み重ねで少しずつうまくなるため、キャリアの長い伏見と嶺井に一日の長があるのかも知れない。
守備率も見ておこう。捕逸は失策に含まれないため、落球や悪送球などのエラーをどれだけ犯したかを示す。森は2022年から順に.991、.993、.990、伏見は.998、.993、.989、嶺井は.995、1.000、1.000となっている。トータルで考えると、守備面では嶺井が少しリードと言ったところか。推定年俸も2700万円と3人の中では最も安い。