20試合連続安打で6月打率4割超え
阪神の近本光司が連続試合安打を継続している。23日の広島戦初回にアンダーソンから中前タイムリーを放ち、5月28日のロッテ戦から始まった連続試合安打を「20」に伸ばした。
開幕当初はもうひとつ調子が上がらなかったが、6月1日から3番で起用されるようになると快音も増加。6月の月間打率は.405をマークしており、シーズン打率もリーグ3位の.302まで上昇している。
近本と言えば、ルーキーイヤーの2019年から2年連続盗塁王に輝いた俊足として有名だが、今季13盗塁のうち6月以降は3盗塁のみ。1番打者として出塁すれば次の塁を狙う必要があるが、3番の場合は4番・佐藤輝明、5番・大山悠輔と強打者が続くだけに、盗塁失敗のリスクを冒すより慎重を期した方がいいという判断なのかも知れない。
チームの中で自分が果たすべき役割をきちんと理解しているのだろう。それが結果的に打撃に集中できる好循環を生み出している可能性もある。
いずれにしても開幕から最下位に低迷していた阪神が浮上してきたのは、本塁打を量産する大山悠輔とともに近本の好調による得点力のアップが要因のひとつと言える。
高橋慶彦の33試合が歴代1位
昨季、最多安打のタイトルを獲得した近本は、今季も安打数でリーグトップを走っている。リーグ屈指のヒットメーカーが今後どこまで連続試合安打記録を伸ばすのかにも注目が集まる。歴代10傑が下の表だ。

歴代1位は1979年に広島・高橋慶彦が記録した33試合連続安打。40年以上も破られていないことからも、いかに継続することが難しいかよく分かる。
2位は阪急・長池徳士が1971年に記録した32試合、3位は同じく阪急・野口二郎が1946年に記録した31試合といずれも古い記録だ。野口は通算237勝を挙げた投手で、毎試合ではなく、登板した試合での連続安打だった。
2015年に3位に並んだのが西武の秋山翔吾。年間216安打のNPB新記録を樹立したシーズンだった。
5位タイにも1976年の巨人・張本勲、1977年の阪急・福本豊と40年以上前の記録が並ぶ。もう一人、阪神のマット・マートンも2011年に30試合連続安打を記録した。
8位は横浜のグレン・ブラッグスが1993年に記録した29試合。9位タイに南海のトニー・バナザード(1988年)と阪神の桧山進次郎(2001年)が28試合で並んでいる。
10傑の顔ぶれは、どちらかと言うと俊足の左打者が多い。最多安打に輝いた経験もある近本がこの中に割って入る可能性も十分にあるだろう。43年ぶり新記録誕生の瞬間を期待したい。
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