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2023プロ野球最多併殺打ランキング 「盗塁少ない右打者」並ぶ中で異色の存在は?

2023 8/8 11:00SPAIA編集部
ロッテ中村奨吾とDeNA牧秀悟,ⒸSPAIA
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ロッテ中村奨吾が12球団最多14併殺打

野球には流れがある。「ピンチの後にチャンスあり」と言われるのも、ピンチを凌ぐとその直後に得点が入ることが多いからだ。裏を返すと、チャンスを潰してしまうと相手に流れがいくことも少なくない。そういう意味で併殺打は打者として最も避けたい結果のひとつだろう。

2023年のプロ野球で併殺打の多い打者は誰だろうか。8月7日現在のランキングは下の表の通りとなっている。

12球団併殺打ランキング


12球団で最多の14併殺打を記録しているのは中村奨吾(ロッテ)。早稲田大からドラフト1位で入団して9年目の31歳は、ここまで主に3番として91試合に出場し、打率.222、8本塁打、33打点の成績を残している。

2018年に143試合フル出場して打率.284、翌2019年には自己最多の17本塁打を放つなど、プロ通算打率.252、921安打、82本塁打をマーク。過去の実績から言えば、今季の成績はやや物足りない。

オールスター明けからは2番や5番、6番で起用されることもあり、首脳陣も苦心している模様。ロッテは首位オリックスと5ゲーム差をつけられており、逆転優勝に向けて中村の復調が待たれる。

オリックス若月健矢は13、DeNA牧秀悟はセ・リーグ最多12併殺打

中村に次いで多い13併殺打を記録しているのが若月健矢(オリックス)。今季は森友哉がFAで加入したが、森が離脱してからは捕手としてスタメン出場しており、ここまで63試合出場で打率.298、4本塁打とバットでもアピールしている。

下位打線での起用が多いが、7月22日の日本ハム戦(ほっと神戸)では宮西尚生からライトスタンドへサヨナラ弾を放つなど意外性のある打撃を見せている。併殺打の多さは、思い切りの良さと表裏一体とも言え、ある程度は目を瞑る必要があるかも知れない。

セ・リーグ最多は12併殺打の牧秀悟(DeNA)。ここまで97試合に出場して打率.281、18本塁打、63打点の好成績を残しており、チームへの貢献度は高い。4番としてチャンスで打順が巡ってくることも多く、足も速くないとあっては併殺打が増えるのも仕方ない側面はある。

ただ、DeNAはチーム盗塁数が12球団最少の20個。機動力のなさが併殺につながっているとも言え、来年以降の課題のひとつだろう。

「俊足の左打者」秋山翔吾がなぜ?

4位は11併殺打のオスナ(ヤクルト)、細川成也(中日)、紅林弘太郎(オリックス)、秋山翔吾(広島)の4人が並んでいる。併殺打の多い打者の共通点は「盗塁の少ない右打者」だが、唯一、秋山が左打ちでランキング入りした。

広島入団2年目の今季は99試合に出場して打率.289、3本塁打、34打点、8盗塁。シーズン216安打のNPB記録を持つヒットメーカーはここまで12球団3位の110安打と本領を発揮している。

左打ちで俊足にもかかわらず併殺が多いのは、強いゴロが野手の正面をつくなど不運が重なっているのかも知れない。とはいえ、開幕から3番で固定されている打順を変更するなど、何らかの対策を講じることも一考の価値はあるだろう。

併殺打が注目されることは少ないが、掘り下げていけば采配の妙や、野球の醍醐味は隠されている。そんな点にも注目してプロ野球を楽しみたい。

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