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なぜ「大谷世代」と呼ばれない?意外に多い1994年度生まれのプロ野球選手

2023 7/1 06:00SPAIA編集部
DeNAの佐野恵太・阪神の大山悠輔・巨人の吉川尚輝,ⒸSPAIA
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「松坂世代」「KK世代」「ハンカチ世代」などがスター輩出

プロ野球界では特定の世代から多数のスター選手が誕生することがある。代表例が1980年度(1980年4月2日~1981年4月1日)生まれの「松坂世代」だろう。

甲子園春夏連覇を果たしてプロ入りし、メジャーでも活躍した松坂大輔を筆頭に、藤川球児や杉内俊哉、村田修一、新垣渚、唯一現役の和田毅らプロでも実績を残した選手を多数輩出。ここまで実力派が揃った世代はそうない。

とはいえ、2006年夏の甲子園を沸かせた斎藤佑樹と田中将大の1988年度生まれも「ハンカチ世代」「マー君世代」と呼ばれ、前田健太や坂本勇人、柳田悠岐らが何かと比較される。

桑田真澄と清原和博の1967年度生まれも「KK世代」と呼ばれ、佐々木主浩、佐々岡真司、渡辺智男、田中幸雄ら大物が揃う。

そう考えると、エンゼルス大谷翔平を筆頭とする1994年度生まれも活躍する選手が多いわりに比較されることが少ない。改めて「大谷世代」の現役選手を紹介しよう。

現役でプレーする1994年度生まれのプロ野球選手

弓削隼人(楽天)
藤浪晋太郎(アスレチックス)
星知弥(ヤクルト)
岡野祐一郎(中日)
京田陽太(DeNA)
柳裕也(中日)
澤田圭佑(ロッテ)
長坂拳弥(阪神)
石井一成(日本ハム)
田村龍弘(ロッテ)
溝脇隼人(中日)
山野辺翔(西武)
小野泰己(オリックス)
畠世周(巨人)
佐々木千隼(ロッテ)
木浪聖也(阪神)
片山雄哉(阪神)
大谷翔平(エンゼルス)
田中正義(日本ハム)
北條史也(阪神)
田中和基(楽天)
黒木優太(オリックス)
鈴木誠也(カブス)
坂本光士郎(ロッテ)
田村伊知郎(西武)
竹安大知(オリックス)
池田隆英(日本ハム)
加藤豪将(日本ハム)
近本光司(阪神)
佐野恵太(DeNA)
西川龍馬(広島)
大山悠輔(阪神)
瀧中瞭太(楽天)
矢崎拓也(広島)
齋藤友貴哉(日本ハム)
松原聖弥(巨人)
尾仲祐哉(ヤクルト)
松本友(ヤクルト)
吉川尚輝(巨人)
生田目翼(日本ハム)
床田寛樹(広島)
濵口遥大(DeNA)
笠原祥太郎(DeNA)
※誕生日順

メジャーリーガーが3人も

なんと現役メジャーリーガーが3人もいる。大谷のほか、大阪桐蔭高のエースとして甲子園春夏連覇した藤浪晋太郎(アスレチックス)、広島時代に史上3人目の6年連続3割25本塁打をマークした鈴木誠也(カブス)も同世代だ。

どちらかと言うと、投手より野手が目立つ。大山悠輔(阪神)はつくば秀英高から白鷗大を経て2016年ドラフト1位、同じ阪神の近本光司は兵庫・社高から関西学院大、大阪ガスを経て2018年ドラフト1位でプロ入りした、

佐野恵太(DeNA)は広陵高から明治大を経て2016年ドラフト9位、西川龍馬(広島)は敦賀気比高から王子を経て2015年ドラフト5位、吉川尚輝(巨人)は中京高から中京学院大を経てドラフト1位でプロ入りしている。

また、甲子園で3季連続準優勝だった光星学院高(現八戸学院光星)からプロ入りした北條史也(阪神)と田村龍弘(ロッテ)、青森山田高から日本大を経て2016年ドラフト2位でプロ入りした京田陽太(DeNA)、メジャーから逆輸入の加藤豪将(日本ハム)も同世代だ。

大卒、社会人の多さが世代の認知度低い理由か

投手では横浜高から明治大を経て2016年ドラフト1位の柳裕也(中日)、箕面学園高から中部学院大を経て2016年ドラフト3位でプロ入りした床田寛樹(広島)、佐賀・三養基高から神奈川大を経て2016年ドラフト1位の濵口遥大(DeNA)らがいる。

さらに2016年ドラフトで5球団競合した田中正義(日本ハム)と同じく外れ1位で5球団競合した佐々木千隼(ロッテ)も同世代。

こうして振り返ると、高卒より大卒、社会人からプロ入りした選手の方が多いことが「大谷世代」と呼ばれない一因かも知れない。甲子園の印象はそれほど強烈で、世間の認知度を一気に高めるということだ。

ただ、1994年度生まれは他競技でも一流アスリートが多いことで知られる。フィギュアスケートの羽生結弦、サッカーの浅野拓磨・南野拓実、水泳の萩野公介・瀬戸大也、バドミントンの桃田賢斗・奥原希望、スピードスケートの高木美帆、レスリングの川井梨紗子・土性沙羅、柔道のベイカー茉秋ら五輪など世界を舞台に活躍する選手が揃う。

そういう意味では「最強世代」と言っていいのかも知れない。いずれにせよ、20代後半でアスリートとして脂の乗る時期だけに、今後ますますの活躍が期待される。

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