楽天・島内が安定した打撃でチームトップの貢献度
先週のパ・リーグは、下位チームが元気だった。4位オリックスは4勝1敗で、西武を抜き3位に浮上。ロッテ(4勝2敗)、日本ハム(3勝2敗)も勝ち越しに成功した。一方、首位・楽天は1勝5敗とつまずき、2位ソフトバンクとは1.5ゲーム差に。上位と下位の差が縮まった中で、明日から交流戦に突入する。
SPAIAでは5月17日から5月22日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
首位を走る楽天は先週3試合で零封負けを喫するなど、打線に元気がなかった。その中で打線を支えていたのが4番の島内宏明。6試合中5試合で安打を放ち、週間打率は.333(21打数7安打)。唯一勝利した19日のロッテ戦では、押し出し四球で決勝点を挙げるなど、渋い働きでチームトップのwRAA3.2をマークした。
グラシアルが上昇気配、代役の中川圭太と山野辺翔が躍動
2位のソフトバンクでは、グラシアルが好調だ。那覇で開催された西武との2連戦では、17日の第1戦の九回・最終打席で勝ち越しとなるタイムリー、翌日の第2戦では一回の第1打席に先制タイムリーと、日を跨いで2打席連続の決勝打を放ち、チームの連勝に貢献した。
週間でも3試合でマルチ安打(うち1回が猛打賞)を記録するなど、打率.400(20打数8安打)、wRAAも3.1でチームトップの貢献度となった。今年37歳を迎えるベテラン助っ人は、ようやくエンジンがかかってきたようだ。
3位に浮上したオリックスは、中川圭太がチーム一のwRAA2.5をマークした。主砲・吉田正尚を欠く打線で主に4番を任され、5試合中4試合で安打を放ち、週間打率は.350(20打数7安打)。21日の楽天戦では猛打賞、翌22日の同戦では第1打席に先制の2点タイムリー二塁打、第2打席でも追加点となるタイムリーを放つなど、カード3連勝に大きく貢献した。
西武は先週1勝4敗と負け越し、Bクラスに転落。打線は森友哉、源田壮亮ら主力を欠いており、迫力不足は否めない。そんな中、山野辺翔が気を吐いている。スタメンでの出場は3試合ながら、1番バッターとして打率.364(11打数4安打)をマーク。3得点を記録するなどトップバッターとしての役割を果たし、wRAAも1.7でチーム一の貢献度だった。
マーティンが爆発、石井一成はしぶとさ発揮
5位のロッテでは、マーティンのバットが火を噴いた。18日の楽天戦で今季2号のサヨナラ本塁打、4月8日以来久しぶりの一発が飛び出すと、19日の同戦、21日のソフトバンク戦でもアーチをかけ、3本塁打を量産。wRAAも3.5でリーグトップを記録し、いよいよ本領を発揮し始めた。
日本ハムは3勝2敗と勝ち越し、勝率もようやく4割台に乗せた。打線の中では石井一成が調子を上げている。ヒットは週間で3本ながら5四球を選ぶなど、しぶとさを発揮して出塁率は.471を記録。wRAAもチームトップの2.7をマークした。
今季のパ・リーグは6チーム中5チームが防御率2点台、ソフトバンクを除く5チームが打率2割4分以下と、開幕から“投高打低”の状態が続いている。明日から交流戦が始まるが、セ・リーグチームとの対戦で打線の爆発はあるのか注目だ。
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