唯一勝ち越した広島、鈴木誠也は相性の悪さ覆す3割3本塁打
昨シーズン、最優秀防御率、最多奪三振に加え、沢村賞の栄誉に輝いた中日の大野雄大。自己最高の防御率1.82を記録しただけでなく、11勝を挙げ勝率.647をマークした。通常通りシーズンが開催されていれば、全項目でキャリアハイをマークしていた可能性もあっただろう。
そんな圧倒的な投球を見せた大野を、昨シーズン最も得意としたチーム、選手はいったいどこの誰だったのか。データから探っていく。
まずはチーム別の対戦成績を見ていこう。昨シーズン、大野を最も打ったのは、4試合で2勝1敗と勝ち越した広島だ。対戦打率.229はトップだった阪神の.236を下回るが、セ・リーグ最多の5本塁打を浴びせ、10得点を奪った。対戦チーム別の防御率を見ても唯一の3点台と、大野をそこまで苦にしていなかったようだ。
広島の打者を見ていくと、10打席以上では菊池涼介.333、ピレラ.308、鈴木誠也.300と3人が3割以上をマーク。鈴木に至っては3安打全てが本塁打と、打率以上に大野との相性の良さを感じさせる。2017年~2019年の3年間は20打数3安打・1本塁打と大野が圧倒していたが、昨シーズンは立場が逆転した格好だ。
10打席未満だとメヒアが打率.375(8打数3安打)、坂倉将吾が.667(3打数2安打)、投手の大瀬良大地が.400(5打数2安打)と比較的好相性だった。一方、堂林翔太は11打数1安打、曾澤翼は9打数無安打と完全に封じ込まれた。
一方、大野を最も苦手としたチームはDeNAだ。3試合全てに敗れ、対戦打率.188、WHIP0.76はいずれもリーグ5位だが、なにより得点を奪うことができなかった。3試合25イニングで1点も奪えないという屈辱の結果となっている。ケガ人が多く、主軸をなかなか固定できなかった影響もあり10打席以上はソト1人。そのソトも打率.182と抑え込まれた。