身長2メートルの大型ルーキー、62年ぶり快挙も視野
セ・リーグ3連覇を目指す巨人に新星が誕生した。ドラフト5位ルーキーの秋広優人である。二松学舎大付高から入団した秋広は春季キャンプで二軍スタートだったが、紅白戦で猛アピールすると2月12日に一軍昇格を果たす。その後も降格することなく一軍キャンプを完走した。
当初は2メートルの高身長ということもあり、話題先行だった感はある。しかしオープン戦では3試合の出場で打率.333(9打数3安打)と結果を残しており、開幕一軍入りも現実味を帯びてきた。さらにこのまま活躍が続けば、巨人では1959年の王貞治以来62年ぶりとなる高卒新人による開幕スタメンまで手が届きそうだ。
高卒新人選手による開幕スタメンは希少な存在であり2リーグ制以降、王を含めても14人しか成し遂げていない。少し幅を広げて、楽天が新規参入した2005年以降に開幕一軍入りを果たした高卒新人選手を球団ごとに振り返ってみたい。
セ・リーグ高卒新人の開幕スタメンは立浪和義以来なし
秋広で注目が集まる巨人だが、2005年から2020年の間に開幕一軍入りを果たした選手はひとりもいない。現在の主力選手である坂本勇人(2007年)や岡本和真(2015年)も、1年目の開幕は二軍スタートだった。この期間からは外れてしまうが、松井秀喜(1993年)も同じく開幕一軍入りを逃している。
セ・リーグ5球団でも開幕一軍を勝ち取った高卒ルーキーはほとんどおらず、高橋周平(中日/2012年)、藤浪晋太郎(阪神/2013年)、小園海斗(広島/2019年)だけ。3人のなかで野手の高橋と小園は開幕スタメンを勝ち取ることができず、出場機会も巡ってこなかった。高橋は開幕2戦目に途中出場を果たしたが、小園は出場がないまま開幕3戦目当日に二軍降格となっている。
DeNA(前身球団含む)とヤクルトは巨人と同じく、この期間で開幕一軍入りを勝ち取った者はいない。村上宗隆(ヤクルト/2018年)や山田哲人(ヤクルト/2011年)、筒香嘉智(当時横浜/2010年)も二軍でプロ野球人生をスタートさせている。ちなみに平成以降、セ・リーグでは開幕スタメン出場したの高卒新人はおらず、直近では立浪和義(中日/1988年)がそれにあたる。
パ・リーグは藤原恭大や大谷翔平らがスタメンで安打を放つ
パ・リーグでは2年前に藤原恭大(ロッテ/2019年)が「1番・中堅」でスタメン出場を果たし、4打数1安打の結果を残している。球団では山崎裕之(当時:東京/1965年)以来54年ぶりの快挙だった。ロッテでは藤原以外、2005年以降に開幕一軍入りを果たした高卒新人はいない。
日本ハムでは、現在エンゼルスで活躍する大谷翔平(2013年)が「8番・右翼」で開幕スタメン入りし、4打数2安打1打点とマルチ安打を記録。投手ながら豊島明好(2008年)も開幕一軍入りを果たしているが、初登板は開幕5戦目だった。
オリックスでは「9番・右翼」でスタメン出場をした駿太(2011年)が2打数ノーヒット、西武では史上2人目の高卒新人捕手として抜擢された炭谷銀仁朗(2006年)が「8番・捕手」で開幕スタメン出場し、4打数1安打の結果を残している。
楽天ではオコエ瑠偉(楽天/2016年)が開幕一軍入りを勝ち取ったが、スタメンではなく代走での出場に終わっており、ソフトバンクでは開幕スタメンどころか、一軍入りを果たした選手もいなかった。
近年ではセ・リーグよりパ・リーグの方が、スタメンに抜擢される高卒新人が多い。果たして秋広は球団では王以来、セ・リーグでは平成以降初の高卒新人による開幕スタメンを勝ち取ることができるだろうか。
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