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MLBの頂点!ワールドシリーズで活躍した日本人選手たち

2017 8/25 10:07Mimu
松坂大輔選手
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ワールドシリーズに出場した日本人選手

まずはワールドシリーズに出場した日本人選手を見てみよう。

2002年 新庄剛志 ドジャース
2003年 松井秀喜 ヤンキース
2004年 田口壮 カージナルス
2005年 井口資仁 ホワイトソックス ☆
2006年 田口壮 カージナルス ☆
2007年 松坂大輔・岡島秀樹 レッドソックス ☆
2007年 松井稼頭央 ロッキーズ
2008年 岩村明憲 レイズ
2009年 松井秀喜 ヤンキース ☆
2013年 上原浩治・田澤純一 レッドソックス ☆
2014年 青木宣親 ロイヤルズ

(☆マークはワールドシリーズで優勝した選手)

となっている。この表を見てアレっと思う方もいるかもしれない。2016年にシカゴ・カブスがワールドシリーズに出場したはずなのに、川崎宗則選手(現:福岡ソフトバンクホークス)の名前がないからだ。
実は川崎選手はベンチに入ったものの、25人のロースターには入っておらず、試合には一切出ていないのだ。それでもチームメイトや監督から必要とされてベンチにいたのだから、それだけ大きな存在だったのだろう。

さて、日本人選手として初めて優勝を果たしたのは、2005年の井口資仁選手(現:千葉ロッテマリーンズ)だ。ワールドシリーズの成績自体は18打数3安打で打率.167しかなかったが、オジー・ギーエン監督の作戦を遂行する上で重要になるつなぎの役割を果たしており、監督からは非常に高く評価されていた。

日本人選手として初めて優勝の瞬間をグラウンドで経験

田口壮さん(現:オリックスバファローズ2軍監督)の活躍も印象的だ。2004年、2006年と2度ワールドシリーズに出場し、2004年のレッドソックスとのワールドシリーズでは、いわゆる「バンビーノの呪い」から86年ぶりに解放されたレッドソックスに4連敗。だが、2006年にはデトロイト・タイガースを4勝1敗で下し、世界一に輝いた。

この年ポストシーズンで2本塁打を放つなど絶好調だった田口選手は、ワールドシリーズでも好調を維持し、5試合中4試合に出場。第1戦から先発出場し、ヒットを放っている。さらに第4戦では1点ビハインドから代打で登場し、バントが相手エラーを誘って出塁し、そのまま後続打者のタイムリーで逆転のホームも踏んだ。第5戦でも先発出場して、1安打1盗塁1得点を記録。
試合終了までレフトを守り、日本人選手として初めて優勝の瞬間をグラウンドで迎えた選手となっている。ただし、井口選手は優勝を決めた試合に出場していたが、優勝の瞬間にはすでに交代してベンチに下がっていた。

その後2008年に田口選手はフィラデルフィア・フィリーズへと移籍し、この際もワールドシリーズに進出。岩村明憲選手のいたタンパベイ・レイズを下して世界一に輝いているが、残念ながらこのシリーズでは田口選手の出番はなかった。

元同僚対決に注目が集まった2007年のワールドシリーズ

2007年には、レッドソックスの松坂大輔選手(現:福岡ソフトバンクホークス)と岡島秀樹さんが、世界一に輝いている。このときの相手は、松井稼頭央選手(現:東北楽天ゴールデンイーグルス)が在籍していたコロラド・ロッキーズで、松坂選手vs松井稼頭央選手という元西武ライオンズ同僚対決が非常に話題となった。

岡島さんは第2戦、第3戦、第4戦に中継ぎとして登板。第3戦、第4戦ともにホームランを浴びてしまっていたが、第2戦では2回1/2を投げて4奪三振と、シリーズの流れを引き寄せる好投を見せている。松坂選手は第3戦に登板し、5回1/3を1失点というピッチング。なお注目された松井稼頭央選手との対決では、初回にヒットを打たれており、松井稼頭央選手の方に軍配が上がっている。

日本人選手として初のワールドシリーズMVP

やはりワールドシリーズで大活躍した日本人選手といえば、松井秀喜さんの話は欠かせないだろう。メジャー5年目となった2009年のワールドシリーズ、打率.615(13-8) 3本塁打 8打点と大暴れし、日本人選手としては初のMVPを獲得した。

ポストシーズンから、その勝負強さが光っていた。主に5番DHとして試合に出場し、まずミネソタ・ツインズとのディビジョンシリーズの第1戦でいきなり決勝ツーラン。さらにリーグチャンピオンシップシリーズのロサンゼルス・エンゼルス戦の第1戦でも2点タイムリーを放つなど、大事なシリーズ初戦で活躍し、流れをチームにもたらす。

そしてフィラデルフィア・フィリーズとのワールドシリーズ、まず初戦で1安打を放つと、第2戦、第3戦では2試合連続ホームラン。第2戦では、1-1の同点からペドロ・マルティネスの速球をライトスタンドへ叩き込む決勝の勝ち越しホームランであった。メジャー屈指の好投手から放った、会心の1発だ。

第3戦~第5戦はDH制がなかっため代打での出場のみだったが、本拠地に戻ってからは再び先発出場。3勝2敗と王手をかけて挑んだ第6戦では、またもペドロ・マルティネスから第1打席に先制ホームランを放つ。この1発で流れを引き寄せると、第2打席・第3打席もタイムリーを放ち、6打点と大暴れした。場内からは大歓声が沸き上がり、文句なしのMVPを獲得している。

2人の日本人好投手の貢献で優勝した2013年レッドソックス

2013年の上原浩治選手(現:シカゴ・カブス)と田澤純一選手の活躍も、記憶に新しいだろう。この年は2人ともが好調で、シーズンでは上原選手が73試合、田沢選手が71試合に登板。特に上原選手は26試合連続無失点、34人連続アウトの記録などを打ち立てており、日本でも連日報道されていたシーズンだ。ワールドシリーズでも、上原選手、田沢選手ともに5試合ずつに登板し、4勝のほとんどに貢献した。

特に上原選手は、内容も非常に面白いものとなっており、第3戦目では同点の9回裏、1死2・3塁という絶体絶命の場面で登板。外角のカットボールを上手く打たせ、セカンドゴロに打ち取る。セカンドはホームへ投げて3塁走者がタッチアウト、さらにキャッチャーは2塁走者もアウトにしようとサードへ送球した。
しかしこれが悪送球となってしまい、サードは体勢が崩れてしまう。するとそのサードにランナーが躓いてしまい、なんとこれが走塁妨害の判定に。走者には3塁からさらに1つの進塁権が与えられ、1点が追加となり試合が終了。ワールドシリーズ初の初の走塁妨害によるサヨナラ負けを喫してしまった。

さらに第4戦では、2点リードの9回から登板。ヒットを1本許してしまうものの、2死を執った後にそのランナーを牽制で刺し試合終了。今度はワールドシリーズ初の牽制死による試合終了を達成した。いろいろあった上原選手の登板試合だが、3勝2敗で迎えた第6戦では5点リードの9回に登板し、最後の打者を三振に打ち取って試合終了。
日本人投手として初のワールドシリーズ胴上げ投手となっている(なおMVPは.688 2本塁打 6打点を記録したデビッド・オルティズ氏が獲得している)。

これまでMLBで活躍する選手たちは、海の向こうから日本の野球ファンを盛り上げてきた。これからも更に、ワールドシリーズで活躍する日本人選手たちが増えていくだろう。