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箱根駅伝で復活狙う名門・中央大のスーパー1年生と早稲田大のWエース

2020 12/30 11:00鰐淵恭市
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中央大は歴代最多14度優勝、早稲田大は13度V

白地に赤の「C」が入った中大と、臙脂に白の「W」が書かれた早大。箱根駅伝では誰もが認める名門校のユニホームだ。だが、歴代最多の14度の優勝を誇る中大は1996年、同2位の13度優勝の早大は2011年を最後に優勝から遠ざかっている。来年1月2、3日に97回目を迎える箱根駅伝で両名門校はどこまで活躍できるのだろうか。

創部100年目の中央大は3位以内目指す

今年創部100周年を迎えた中大。前回大会は12位だったが、94回目の出場となる今大会では一気に名門復活を視野に入れている。目指すは総合3位以内。今大会は青山学院大、東海大、駒大の「3強」と呼ばれているが、その中に割って入るつもりだ。

「手応えを感じている。懸念材料はない」

そう語るのは、指導5年目を迎える、OBの藤原正和監督。男子マラソンで、世界選手権代表にもなったことがある名ランナーだ。

藤原監督が指導するようになってから、「谷」の時期もあった。4年前の93回大会では予選会で敗退し、本戦の連続出場記録が「87」で途切れた。だが、今は「山」の時期に向かおうとしている。今年10月の箱根の予選会を2位で突破。昨年が10位だったことを考えると、着実に上向いている。

1年生・吉居大和は日本長距離界のホープ

その象徴とも言えるのが、1年生の吉居大和(宮城・仙台育英)だろう。7月に5000メートルの20歳以下の日本記録をマークすると、12月の日本選手権でもその記録を13分25秒87に更新し、3位に入った。今や学生はおろか、日本の長距離界を代表する選手だ。

「区間賞を目指したい。勝ちにこだわって、どんな区間でも最後に勝ちきれるようにしたい」と吉居。区間エントリーでは補欠に回ったが、当日のメンバー変更で1区か3区での起用が濃厚だろう。

中大にとって、吉居の存在は大きいが、藤原監督はチーム力を強調している。「学年間での競り合いもしっかりできたと思っています。戦う姿勢をつくれたことが一番のチームの成長だと思っています」。

山上りの5区を畝拓夢(4年、岡山・倉敷)、山下りの6区を若林陽大(2年、同)と特殊区間に経験者がいるのも強みだ。

「5年目にしてようやく上を目指せるようなチームになった」と藤原監督。9大会ぶりのシード権獲得は通過点だろう。

90回目の早稲田大は全日本で見せ場

出場90回目となる名門早大は少数精鋭で箱根に挑む。部員数は30人弱。2人に1人がメンバー入りできることになる。

「おそらく出場チームの中で1番少ないが、だからこそつながりが強み」と相楽豊監督は話す。

今年はその力の片鱗を11月の全日本大学駅伝でみせた。3年生以下のメンバーでのぞんだにも関わらず、5区を終えて、トップでたすきをつないだ。最終的には5位だったが、前半に大会を盛り上げたのは、間違いなく早大だった。

カギ握る「Wエース」中谷雄飛と太田直希

特に力を発揮したのは、ともに3年生の中谷雄飛(長野・佐久長聖)と太田直希(静岡・浜松日体)のWエースだった。トップと22秒差の3位でたすきを受けた3区の中谷は序盤から果敢に突っ込んだ。最後はペースを落としたが、区間賞を獲得。これが中谷にとって学生駅伝初の区間賞だった。

「ようやく区間賞がとれたので、そこは自信にしていけたらいいのかなと思っています」

中谷からたすきを受けたのが太田だった。太田も積極的に序盤から飛ばし、2位の明大との差を52秒に広げた。ただ、区間新を出したものの、区間2位だったこともあり、「もうちょっと力が必要かな」と悔しさをみせた。

そして、箱根が目前に迫り、このWエースがさらに力を上げている。

12月の日本選手権1万メートルで中谷が自己ベストを20秒以上更新し、今季の日本人大学生2位となる27分54秒06をマークした。太田も自己ベストを20秒以上縮め、同3位となる27分55秒59を記録。学生の1万メートルなら28分台前半で走ればスピードがあると言われる中、27分台で走れる選手は、そうたくさんはいない。

太田は区間エントリーで「花の」2区に配置された。中谷は補欠に回ったが、これは相楽監督の作戦。チームに勢いをつけるために、当日のメンバー変更で1区か3区に回る可能性が高い。そうなると、中谷、太田のWエースがたすきをつなぐことになる。

「箱根でもいい走りができるんじゃないかという自信がつきました。箱根では日本選手権同様にインパクトのある走りができればいいと思います」と中谷。3年生のエース2人が、名門「W」を引き上げる。

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