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箱根駅伝で新「山の神」は誕生するか?青学、東海、駒澤、東洋の候補たち

2020 12/28 06:00鰐淵恭市
イメージ画像Ⓒlzf/Shutterstock.com
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多くのドラマが生まれた山上りの5区

箱根駅伝の魅力の一つが、大会の名称にもなっている箱根の山の存在だろう。900メートル近い標高差が、数々のドラマを生んできた。特に山上りの5区(20.8キロ)は近年優勝争いを大きく左右し、驚異的な走りをみせた選手は「山の神」と呼ばれるようにもなった。来年1月2、3日にある97回目の箱根駅伝で、新たな「神」は生まれるのだろうか。

ハイレベルな2人で争う青山学院大

2017年から距離が短くなったとはいえ、依然として優勝争いの鍵を大きく握るのが5区だ。その特殊性ゆえ、適材を見つけるのは容易ではない。

前回王者の青山学院大は、2人の5区候補がいる。2、3年時に5区を走った大学5年目の竹石尚人(大分・鶴崎工)と、前回の5区を区間2位で走った飯田貴之(千葉・八千代松陰)だ。

竹石は2年生の時、山上りで青学大の4連覇に貢献した。終盤、足がけいれんするアクシデントに見舞われながらも区間5位と踏ん張った。だが、2年連続の山上りとなった3年時はペースが上がらず区間13位に。順位を3位から6位に下げ、5連覇を逃す一因となってしまった。

4年時は直前に故障し、16人の登録メンバーから漏れた。そこで、竹石は卒業後に就職するはずだった一般企業の内定を断り、青山学院大で5年目の生活を送ることを決めた。

登録上は4年生の竹石は、箱根の壮行会で「希望区間は5区と8区」と語ったが、思いは前者にあるのではないだろうか。

その竹石がすんなりと5区を走れるとは限らない。昨年、5区の区間記録を更新して往路の優勝テープを切った飯田がいるからだ。

11月の全日本はメンバー外だったが、青山学院大には平地で力を発揮する選手はそろっている。特殊能力にたけた飯田は箱根に照準を絞って調整してきた。

壮行会では「希望区間は昨年同様5区」と言い切った。2人のどちらが箱根の山を上るのか。注目だ。

東海大は区間新を目指す

2年ぶりの箱根路制覇を狙う東海大の山上りは、3年連続で西田壮志(4年、熊本・九州学院)が濃厚だ。

5区に憧れて東海大に入学したという西田は、その憧れを実現していった。箱根で初優勝を飾った2年生の時は当時の区間新で区間2位。3年時は発熱やアキレス腱の痛みで区間7位だったが、今大会の山上りで注目を浴びる選手であることは間違いない。

今季は9月に1万メートルで28分37秒37の自己ベストをマークし、スピードに磨きがかかった。狙うは区間賞だけではなく、1時間10分25秒の区間記録の更新になる。そして、目標タイムは、さらに高い。

「69分台の記録に挑戦し、誰にも抜かれないような新記録を出して卒業していきたい」

復路につなぐ粘りが重要な駒澤大

全日本を制し、青山学院大、東海大と並んで、「3強」と呼ばれる駒大。5区は3年連続で伊東颯汰(4年、大分東明)が有力だろう。

ただ、この特殊区間で他大学を突き放すほどの力はない。2年時は区間5位、3年時は区間13位。学生長距離界のエース・田沢廉(2年、青森山田)は往路での起用が濃厚な駒大。前半の勢いを復路につなぐためには、伊東の粘りが重要になってくる。

「個人としては最後の箱根になるので有終の美を飾りたい。粘れるところをみてほしい。ライバルは東海の西田選手。他校の同じ4年生には負けたくない」

柏原竜二以来の快挙を目指す東洋大

3強以外での5区で注目なのは、区間記録保持者である東洋大の宮下隼人(3年、富士河口湖)だろう。前回大会は10位に沈んだ東洋大だったが、宮下は区間記録を29秒更新して、順位を三つ上げた。

東洋大の5区と言えば、2008年から4年連続で区間賞、うち3回区間記録を更新した2代目「山の神」の柏原竜二が思い出される。宮下は、その柏原に憧れて東洋大に入学したのだという。そして、宮下が5区で2年連続区間賞となれば、東洋大では柏原以来となる。

「昨年の自分の記録を更新する、というのは目安としてありますが、あくまで駅伝であり、10区間の中の一つです」。あくまで冷静な気持ちを持ちながら、鉄紺の5区を引っ張る。

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