「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

男女ともにメンバー一新 新生卓球日本代表は世界選手権で新時代を作れるか

2022 9/30 16:31福田由香
木原美悠,Ⓒゲッティイメージズ

Ⓒゲッティイメージズ

メダル常連国の日本、今回はメンバー一新

9月30日に中国・成都でいよいよ開幕する第56回世界卓球選手権団体戦。団体戦はコロナウイルスの影響で4年ぶりの開催。日本ではゴールデンタイムに中継が予定されている。

五輪でもメダル常連国となり、「日本の卓球は中国に次ぐ強さ」と感じている方もいると思うが、今回は代表の顔ぶれが大きく変わった。28日夜に行われたドロー抽選会でも、日本は男女とも「若いチーム」と紹介されている。

東京五輪でメダルを獲得したメンバーのうち、男子は水谷隼が引退し、女子は石川佳純と平野美宇が選考会で敗退。更に大会直前に丹羽孝希がインフルエンザにかかり欠場。代表9人のうち知名度が高い選手は、張本智和、伊藤美誠、それに世界ランク5位の早田ひなという状況だ。

【世界卓球選手権・日本代表選手】
〇男子
張本智和、戸上隼輔、及川瑞基、横谷晟

〇女子
伊藤美誠、早田ひな、木原美悠、長﨑美柚、佐藤瞳

見たことないような顔ぶれだけど…

このメンツで大丈夫なのかと感じた方もいるかと思うが、私は若手が爆発する方に期待したい。特に女子は心配無用の強さの上にバランスを見ても面白い顔ぶれになっている。

高校生の木原美悠は世界ランクで平野より上の15位。U19世界選手権では混合で金メダル、シングルスで銀メダルと「世界屈指の10代」と言える。さらに今回代表入りした長﨑美柚とのダブルスでは中国の孫穎莎・王曼昱のペアを撃破。去年大会の決勝で伊藤・早田はこのペアにストレート負けしているし、東京五輪で伊藤が孫に完敗し、涙したのを覚えている人もいるかもしれない。あんなに強い相手を吹っ飛ばしている若手がいるのだ。

そして今回主将を務める佐藤瞳も注目だ。カットマンである佐藤は、相手のドライブを下回転の落ちるボールで返し続け、一瞬の隙を突いて攻撃する希少な戦型だ。「カットマン」というカードがあることでオーダーのバリエーションが広がる。

男子では戸上隼輔の躍動に期待したい。ダブルス世界ランク1位、今年は全日本で2冠と頭角を現している大学生だ。一撃でぶち抜くパワーと脚力。両ハンドでガンガン振っていくダイナミックなプレーは見応えがあり、勢いに乗ったら止められないタイプだ。

一方、及川瑞基は玄人向けの選手かもしれない。相手を見ながらサーブやコースを変えて、ドライブのラリーを丁寧に続けるタイプだ。元々の顔立ちも穏やかで、張本や戸上のように吠えることもない。昨年の全日本で逆転優勝したときですら、人差し指を立てて小さくうなずく程度だった。

同じシェークドライブ攻撃でも戸上とは対極に近いイメージだが、大きな声を出して勢いで迫る張本、戸上との団体戦という意味では、冷静に淡々と試合をする及川がいることでバランスが良くなりそうだ。

横谷晟は伸び盛りの大学生。世界ランクは231位だが、それもそのはず。去年は代表候補にすら入っていなかったのだ。それでも選考会で結果を残し、ごぼう抜きで掴んだチケット。たくさんのものを吸収して帰ってきてほしい。

予選リーグは男女とも盤石、注目の試合は

では予選リーグの組み合わせを見ていこう。ITTFのホームページによると、決勝トーナメントに進めるのは16チーム。予選リーグで2位以内となれば通過確定で、残りは予選3位のチームの中からランク順に選ばれる。

女子予選リーグ組み合わせ,ⒸSPAIA 男子予選リーグ組み合わせ,ⒸSPAIA


日本は女子が第2シード、男子は第3シードを得ているので、1位通過した場合、女子は決勝で中国と、男子は準決勝で中国かドイツとの対戦となる予定だ。女子はおそらく順当に決勝まで進むと思われる。若手に経験を積ませながら、全員で勝ちあがってほしい。

男子はドイツに当たれば、その試合がカギになるだろう。東京五輪では、混合で水谷・伊藤がフルゲームの3-8から劇的な逆転を果たした相手がドイツだったし、男子団体の準決勝で2-3と惜敗した相手もドイツだった。今回ドイツもメンバーが一新し若返っており、これから中国に続く2番手争いがどうなるかという意味でも注目の試合になりそうだ。

ニューフェイスの活躍はどうか、早田や伊藤は中国相手にどこまで迫れるか。新しい歴史が始まる瞬間に注目だ。

【関連記事】
卓球界の未来のエース木原美悠、福原愛や伊藤美誠に通じるサービスの使い手
アジア選手権3冠に世界選手権で銀2つ!「卓球黄金世代」早田ひなの時代が来た!
男子卓球のネクストヒーロー宇田幸矢と戸上隼輔の「明治大コンビ」に注目!

 コメント(0件)