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食べることもトレーニング!水泳選手はどんな食事をとってるの?

2016 11/10 10:16
水泳
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Photo by ezthaiphoto/Shutterstock.com

テレビや写真で水泳選手の体を見ると、とても鍛えられた筋肉に目が行く人も多いのではないでしょうか。彼らが試合で最高のパフォーマンスを発揮できるその裏には、徹底管理された食事がありました。今回は水泳選手の食事についてご説明しましょう。

水泳選手にとってなぜ食事は大切なのか?

水泳の競技で技術を上げていこうとするとき、そこには多くの研究の成果が活かされています。
食事に大きな影響を与えるスポーツ栄養学もそのひとつ。栄養を摂取する食事は、水泳選手にとって3つの大きな役割を担っていることになるのです。
その役割とは、体を動かすときのエネルギー源・体づくりの材料・体調の調節。水泳選手の場合、その活動量はとても大きなものになりますから、まず通常より多くのカロリーを必要とします。そして体調が良い状態でトレーニングをし、最高のパフォーマンスを本番で発揮するために、適切な栄養を適切なタイミングで摂らなければならないのです。

水泳選手が摂取する1日のカロリーは男子で3700kcal

栄養は「5大栄養素」を中心に考えられています。それは、炭水化物・脂質・タンパク質・ミネラル・ビタミンの5つ。そのうち炭水化物と脂質、タンパク質は「3大栄養素」と呼ばれ、活動のエネルギー源や体づくりの点でとても重要なものです。水泳選手を含むスポーツ選手にとって、この3大栄養素は、炭水化物が全体の60~70%、タンパク質が12~15%、残りを脂質というバランスで摂ることが推奨されています。
そして水泳選手の通常練習期における1日あたりの必要カロリーは男子で3700kcal。一般の男性の摂取カロリーは大体2500kcalと言われていますから、その約1.5倍を摂取する必要があるというわけです。

水泳選手の食事におけるビタミン・ミネラルの重要性

ビタミンやミネラルも水泳選手にとって欠かせない栄養素です。これらは体の中のさまざまな反応に関わっており、泳ぐために必要なエネルギーをつくり出したり、体調を整えたり、体をつくることにも作用します。水泳選手の場合はこれらが汗をかくことで流れ出てしまいやすいため、意識的な補給が必要となります。
特にミネラルではカルシウムと鉄が障害やケガの予防につながり、カリウムやナトリウムは体内の電位や浸透圧調整、pHの調整にとって重要です。ビタミンもそれぞれ大切な役割を担っており、特にビタミンB群は3大栄養素の代謝に関与し、不足するとパフォーマンスが低くなってしまいます。しかも水に溶けやすく、体内に蓄積されることもなく汗と一緒に排出されやすいため、日頃の食事の中で絶え間なく摂取し続けなければなりません。

水泳選手の食事の基本・「栄養フルコース型」の食事

水泳選手にとってとても大切な食事。その食事内容の基本が「栄養フルコース型」と呼ばれるものです。これは、毎回の食事で主食・副菜・主菜・果物・牛乳や乳製品の5種類をしっかり摂っていくというもの。
主食は日本人としては馴染みのあるご飯で、必要カロリーをまかなうためには毎食2杯~3杯食べる必要があります。副菜はビタミン・ミネラル・食物繊維を補うためのもので、野菜や海藻などですね。主菜はいわゆる「おかず」で、タンパク質と鉄を摂取するために食べます。タンパク質は必須アミノ酸を摂れることが重要で、赤身の肉、魚、卵、大豆製品が多く使われます。果物はビタミン・ミネラル・糖質を摂るために、牛乳や乳製品はタンパク質とカルシウムを摂るために食べます。

「栄養フルコース型」の食事は応用してカスタマイズする!

しかし1年を通じてすべて「栄養フルコース型」ひとつで貫くわけではありません。「栄養フルコース型」は基本であって、実際の食事はシーズン内の時期や選手個人の状態に応じて柔軟に変化させていきます。
まずオフ期は活動量が減りますから、体重管理をしながら食事全体の量を調整して摂取カロリーを抑えます。次の体力強化期では、持久力や筋力を上げるために、体をつくるタンパク質の摂取を増やして脂質を控えます。具体的には、脂身の少ない肉や魚、低脂肪乳などを摂り、揚げ物を控えます。
続く強化練習期は活動量が非常に増え筋肉の疲労も激しくなりますので、食事全体の量を増やすと共に、消化吸収しやすい調理法で香辛料なども使って選手がたくさん食べられるように工夫されます。同時に、練習の間の休憩時間にはおにぎりやビタミン・ミネラルを含む栄養補助食品などを食べて、筋肉の回復やグリコーゲンの生成を助けます。
そして試合期、体調管理と試合当日のエネルギーを蓄えるために、主食と果物を主体とした食事に切り替え、食事の量をコントロールします。こうした一連の調整を経て、試合で最高のパフォーマンスが発揮されるのです。

まとめ

水泳選手の食事はとてもカロリーが多いことをご存じの方は多いかもしれませんが、それは緻密にコントロールされた結果導き出されたもの。選手にとって「食べることもトレーニングのうち」とよく言われますが、選手達の栄養摂取を支える栄養管理士や調理師たちの努力が、彼らの実力の一部となっていくのですね。

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