平成以降の新大関は平均8.5勝
大相撲7月場所は19日に初日を迎える。注目は無観客で行われた3月場所で11勝を挙げ、大関に昇進した朝乃山だ。
5月場所や巡業が中止され、朝乃山としてはぶっつけ本番で迎える大関初場所。横綱・白鵬が35歳、鶴竜が34歳と高齢化しており、26歳の新大関にかかる期待は大きい。さらに上を狙うためにも、7月場所で大関として好スタートを切りたいところだろう。
10勝、11勝、10勝、11勝と直近4場所連続で2桁勝つ安定した取り口を誇る朝乃山だが、過去の新大関は昇進初場所で苦戦した例が多い。平成以降に大関昇進した力士の成績は表の通り。
※公開時点で「貴ノ浪が新大関優勝した」とする誤った表記が行われていることが判明し、記事本文にも同様の誤りがあること判明しました。12日22時28分時点で訂正を行いました。
後に横綱に昇進した力士も含めて26人いるが、平均勝ち星は8.5勝。全休を含めて負け越しも5人いるのだ。
大関昇進の目安は直近3場所で合計33勝とされており、安定して2桁勝つ力が求められる。その目安をクリアしたにもかかわらず、平均8.5勝しか挙げられていないのは新大関としてのプレッシャーやケガ、昇進祝いが続いたことによるコンディション不良など、様々な要因が考えられる。
プロ野球界では新人時代に活躍した選手が2年目に苦しむ例が多く「2年目のジンクス」と言われるが、「新大関のジンクス」と言ってもいいほどの成績だ。特に最近は照ノ富士、高安、栃ノ心、貴景勝がその後、大関から陥落している(貴景勝は大関復帰)。ケガで致し方ない面もあるとはいえ、朝乃山にとっては嫌なデータだろう。
今年は新型コロナの影響で稽古さえままならない日々が続いただけに、朝乃山がどこまで状態を上げられるかがカギになりそうだ。