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照ノ富士、琴奨菊、高安、栃ノ心の元大関4人衆が平幕下位で奮闘中

2020 7/26 06:00SPAIA編集部
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序二段から幕内復帰した照ノ富士は幕尻優勝狙う

新型コロナウイルス感染拡大の影響で2場所ぶりの開催となった大相撲7月場所。7日目は新大関・朝乃山が宝富士を寄り切って7連勝、45度目の優勝を狙う横綱・白鵬も霧馬山を寄せ付けず7連勝を飾った。カド番の大関・貴景勝は輝を突き落として5勝2敗としている。

上位陣の優勝争いに加えて注目を集めているのが、平幕下位で奮闘している4人の元大関だ。一時は序二段まで落ちた照ノ富士、初優勝から4年半が経過した琴奨菊、令和元年九州場所を最後に大関から陥落した高安、ジョージア出身の怪力・栃ノ心が元気な姿を見せている。

モンゴル出身の照ノ富士は、関脇だった平成27年5月場所で初優勝して大関昇進。初土俵からわずか25場所という、年6場所制となった昭和33年以降では歴代3位のスピード出世を果たした。

横綱も近いと見られていたが、膝のケガをしてから成績が低迷。平成29年7月場所から2場所連続1勝5敗9休と負け越して大関から陥落し、以降は坂道を転げ落ちるように番付が下がった。引退も考えたが、師匠の伊勢ヶ濱親方に遺留されて翻意。序二段まで下がった平成31年3月場所から、猛スピードで番付を上げてきた。

照ノ富士の場所別成績

十両を2場所で通過し、東前頭17枚目で迎えた今場所。7日目は若隆景に勝って6勝1敗となった。初場所の徳勝龍に続く幕尻優勝も不可能ではない位置につけている。

琴奨菊は6位タイの幕内通算714勝に王手

琴奨菊は関取最年長の36歳。平成14年初場所で初土俵を踏み、平成23年9月場所後に大関昇進、平成28年初場所で初優勝を飾った。しかし、綱獲りはならず、大関在位32場所目となる平成29年初場所で負け越し、関脇に陥落。以降は勝ち越しと負け越しを繰り返しながら、東前頭14枚目で今場所を迎えた。

幕内勝利数ランキング

5日目に志摩ノ海に勝って幕内通算712勝目。元横綱・日馬富士に並ぶ史上7位の記録だった。6日目は敗れたが、7日目は錦木を寄り切って5勝2敗。あと1勝で元横綱・稀勢の里の714勝に並んで史上6位タイとなる。

ケガで番付落とした高安と栃ノ心

高安は平成17年3月場所で初土俵。得意の突き押し相撲で平成29年5月場所後に大関昇進した。しかし、ケガで休みがちになり、全休明けの令和元年11月場所で3勝5敗7休と負け越し、大関から陥落。東前頭13枚目まで番付を落とした今場所、7日目は妙義龍に敗れ、4勝3敗となった。

栃ノ心もケガに苦しんだ。ジョージアから来日し、初土俵を踏んだのが平成18年3月場所。自慢の怪力で平成30年初場所で初優勝し、5月場所後に大関昇進した。しかし、膝などのケガのため、わずか5場所で陥落。翌場所に関脇で10勝を挙げて一度は大関に復帰したが、再び2場所で陥落した。西前頭11枚目で迎えた今場所、7日目は琴恵光に敗れて4勝3敗としている。

栄光も挫折も味わった4人の元大関。番付が下がっても、それぞれの相撲人生を全うする姿はファンに勇気と希望を与えるだろう。優勝争いとは違う角度でも相撲を楽しみたいものだ。

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