歴代最多優勝8回の法政大学
大学野球日本一を決める第72回全日本大学野球選手権大会は、6月11日に明治神宮野球場で決勝が行われ、青山学院大(東都)が18年ぶり5回目の優勝を果たした。全国各地域の春季リーグ優勝チームが戦う大学野球最高峰のタイトル。1952年に行われた第1回大会以降、歴代優勝回数ランキングの上位校を紹介する。
歴代最多の優勝8回を数えるのが法政大学(東京六大学)。初優勝は第9回大会(1960年)で、延長14回の末、同志社大学を2-1で下した。 その後も大学球界の雄として活躍し、2009年に8度目の優勝を飾った。
歴史のある法政大学はプロ野球に多くの人材を輩出。「法政三羽烏」と呼ばれた田淵幸一氏、山本浩二氏、富田勝氏は1968年の全日本選手権で優勝し、3選手とも同年ドラフト1位でプロ入りした。また、東京六大学最多の48勝を挙げた山中正竹氏、歴代2位の47勝を挙げた江川卓氏は、いずれも法政大学だった。
2位は6回優勝の駒澤大学と明治大学
法政大学に続き優勝回数が多いのが駒澤大学と明治大学の6回だ。駒澤大学は東都大学リーグ1部で通算27回の優勝を果たしている。全日本大学野球選手権で初優勝したのは1964年で、決勝で早稲田大学を2-0で下した。
中畑清氏、石毛宏典氏、野村謙二郎氏、新井貴浩氏(現広島監督)ら多数のプロ選手を輩出。しかし、1994年に6度目の優勝を果たしてから長らく遠ざかっている。
明治大学は1954年の第3回全日本選手権で初優勝。翌1955年も連覇し、2019年には1981年以来38年ぶりの優勝を果たした。当時のエース森下暢仁は広島にドラフト1位で入団している。ほかにも星野仙一氏、高田繁氏らプロに多数輩出している。
早稲田大学、亜細亜大学、青山学院大学が5回優勝で並ぶ
早稲田大学は1959年大会で初優勝を飾り、最近では2012年、2015年にも優勝している。野球部の創設は1901年と古く、東京六大学野球連盟が発足した1925年より20年以上前の1903年に行われた慶応義塾大学との初対決が、今も長い伝統が受け継がれる早慶戦の礎となった。
野球部OBにもそうそうたる顔ぶれが揃っており、現阪神監督の岡田彰布氏、現早稲田大学監督の小宮山悟氏ら多くのプロ選手を輩出している。
亜細亜大学(東都)は1971年の第20回大会で初優勝。2002年には木佐貫洋、永川勝浩、松田宣浩ら後にプロで活躍する精鋭が揃い、春・秋のリーグ戦に全日本選手権、明治神宮大会の全てを制するグランドスラムを達成した。2022年には5回目の優勝。2002年以来20年ぶりの全日本制覇だった。
青山学院大学は1993年に小久保裕紀を擁して全日本初制覇。1996年には井口資仁、澤崎俊和、倉野信次、清水将海ら強力布陣で2度目の優勝を果たした。その後、1999年、2005年に優勝し、2023年に5回目の頂点に立った。
東海大学、近畿大学、慶応義塾大学、東洋大学、立教大学が4回で並ぶ
5位の優勝4回は東海大学、近畿大学、慶応義塾大学、東洋大学、立教大学の5校。優勝5回以上の大学は東京六大学と東都の所属だが、東海大学は首都リーグ、近畿大学は関西学生リーグの所属だ(慶応義塾大学と立教大学は東京六大学、東洋大学は東都)。
近大は1997年、1998年に2連覇。二岡智宏、藤井彰人らを擁して史上初のアマチュア五冠を達成した。
また、2003年には九州地区大学野球連盟所属の日本文理大、2006年には阪神大学野球連盟所属の大阪体育大、2016年には東海地区大学野球連盟所属の中京学院大が初優勝。首都圏以外のチームの健闘も光っている。
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