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どんな展開にも対応できる青学の強さ 地力の差を見せつけた第50回全日本大学駅伝②

2018 11/16 07:00鰐淵恭市
駅伝ⒸShutterstock.com
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つなぎ区間にも実力者をおける青学

今年から区間距離が変わり、7区が17・6キロとなった。これにより、唯一変更がなかった19・7キロの8区とあわせて長距離区間が二つとなったため、終盤の重要性が増した。

駅伝の流れをつくるために大切な区間である序盤。となると、終盤の長距離区間に向けたつなぎの区間となるのが5区(12・4キロ)と6区(12・8キロ)だ。この区間にこそ、青山学院大の強さが凝縮されていた。

5区は吉田祐也(3年)、6区は吉田圭太(2年)である。吉田祐は1万メートル、吉田圭は5000メートルで、ともに今年の日本インカレで日本選手トップに入っている。つなぎの区間にこれほどの実力者がいるのが、今の青山学院大だ。

5区の吉田祐は東海大のエース鬼塚翔太(3年)との差を3秒、6区の吉田圭は東海大との差を13秒縮め、7区の森田にたすきを渡すときには東海大との差を11秒とし、射程圏内にとらえていた。森田の逆転劇はこのようにしてお膳立てされ、力通りの走りをした2人の吉田は区間賞を手にした。

どんなレース展開にも対応できる圧倒的強さ

青山学院大の8人の走りを振り返ると、区間賞が2人、8人中7人が区間3位以内。3区の鈴木塁人(3年)だけが区間5位だった。ほぼ全員が安定した走りができるだけでなく、いろんな展開にも対応できるのが今の青山学院大の強みだ。

10月の出雲駅伝のように序盤から逃げ切るレースもでき、今回の全日本のように序盤でつまずいても焦らず挽回できる力もある。その力量にライバル校はお手上げだ。

ここ5年間の学生3大駅伝の結果を見ても、青山学院大が他校を圧倒している。

5年間の学生3大駅伝の結果

ⒸSPAIA

ライバルとの差は何なのだろう。今回の全日本で2位となった東海大、3位となった東洋大も優勝する可能性は十分にあったはず。

東海大は、ケガから回復したばかりの5区の鬼塚が本来の走りで青山学院大との差を広げれば、苦手な長距離区間で逃げ切れたかもしれない。

7区に山本修二(4年)、8区に1万メートルで今季の日本選手トップの記録を持つ相沢晃(3年)と、終盤にエースを持ってきた東洋大も、序盤の出遅れがなければと考えずにはいられない。特に2区でエース格の西山和弥(2年)が区間14位に沈むとは、誰も予想できなかっただろう。

ただ言えるのは、完璧な走りをしてようやく青山学院大に勝てるかどうか、というところだった東海大と東洋大。ここが青山学院大との差だ。

先述の通り、そこまでの遅れではなかったとはいえ、序盤は青山学院大も誤算があった。しかし、少しのミスをはね返すぐらいの余裕ともいえる力がある。それは圧倒的な選手層の厚さや、箱根4連覇中の経験なのかもしれない。彼らは多少の差では、びくともしないということだ。

そして、2度目の三冠へ

青山学院大の逆転劇ばかりに注目が集まった今年の全日本だが、今大会を盛り上げた学校は他にもあった。いずれも過去最高成績をマークし、初のシード権を獲得した帝京大、国学院大、城西大の3校だ。

5位の帝京大は前評判通りの走りを見せた。特に1区の竹下凱(4年)は区間2位の走りで、大きく流れをつくった。6位の国学院大は1区で区間19位と出遅れたものの、中盤から終盤にかけてしぶとい走りを見せた。8位で最後のシード権の枠を勝ち取った城西大は、長距離区間の7・8区でともに区間5位に入ったことが大きかった。

これで今季の学生3大駅伝も正月の箱根を残すのみとなったが、このままいけば青山学院大の5連覇が濃厚な状況だ。史上初、2度目の三冠がいよいよ現実味を帯びてきた。

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