東海フォッシル・栗原三佳はバスケの元トッププレーヤー
2028年ロサンゼルスオリンピックで追加競技として実施されるフラッグフットボールの2024年度日本選手権が3月30日に富士通スタジアム川崎で開催される。出場する男女計9チームの選手が24日、オンライン会見に出席した。
フラッグフットボールはアメリカンフットボールが起源で、タックルの代わりに腰につけたフラッグを取ることから名付けられた。パスやランでタッチダウンを奪うのは同じだが、接触プレーがないため安全なのも魅力。アメリカでは身近なスポーツとして親しまれており、オリンピックに採用されたことで日本での注目度も高まっている。
適用ルールは2023年版IFAF国際ルールの5人制で行われ、前後半各20分。日本では歴史が浅いためアメフトからの転向組が多いが、中には全く異なる競技から転向した選手もいる。
女子の東海フォッシル(東海)に所属する栗原三佳もその一人。元々はバスケットボールの選手として、大阪薫英女学院高3年時に主将としてインターハイでベスト8入りし、大阪人間科学大4年時にはインカレ準優勝、関西女子学生リーグMVPを獲得した。
2012年に加入したトヨタ自動車でもWリーグ準優勝に貢献。2016年リオデジャネイロオリンピックにも女子日本代表として出場するなど輝かしい実績を持つ。
愛知県社会人バスケットボール連盟所属の社会人チーム「フォッシル」との縁でフラッグフットボールに転向。この日の会見に出席した東海フォッシルの宇野麻衣子は「身長が高くて、フィジカルもそろっている」とフラッグフットボールでも持ち前の才能をいかんなく発揮していることを明かした。
ほかにもフェンシングでインターハイに出場した選手や、社会人アメフトリーグ「Xリーグ」で活躍した選手など多士済々。オリンピック出場という大きな夢を見られることが競技の裾野を広げている。
連覇狙うリバーサイドギャンブラーズ市川
男子の前年度王者・リバーサイドギャンブラーズ市川(東日本1位)は連覇を狙う。毎週日曜に江戸川の河川敷で練習しており、選手は高校生から60代までいるという。
会見に出席した八瀬慶人は「主力選手が16人います。5人しかフィールドに立てませんが、ワンポイントでも個性を活かせる選手がいれば投入していく。どんな個性を持った選手でも活躍できるフラッグフットボールの特性をチームとして体現しています」と胸を張った。
ほかにも、アメフトの富士通フロンティアーズの下部チームとして発足したFFFC川崎フロンティアーズ(東日本2位)、登録メンバーは10人に満たないもののアンダー世代の日本代表を擁する京都ジュベナイルズ(西日本1位)、「日本一応援されるチーム」をスローガンに掲げる千里山ブラックジャガーズが出場する。

男女同時日本一を目指す千里山ブラックジャガーズ
女子は千里山ブラックジャガーズレディース(関西1位)が連覇を狙う。元々は関西大学テイラーズのOBとOGが中心となって創設されたチームで、男子とともに西宮市や芦屋市などのグラウンドを借りて練習。男女同時日本一が大目標だ。
樋口智子は「際立った能力を持っている選手がいるわけではないですが、とにかくチームワークがいい。お互いを支え合い、一丸となって戦い抜く。心から楽しんでいるジャガーズを見てほしいです」と笑顔を見せた。
また、先述した東海フォッシルのほか、「どの選手が出てもレベルが高い」と自信を見せるヒューペリオン東京(南関東1位)、様々な競技のチームを運営する東京ヴェルディクラブが母体の東京ヴェルディフラッグフットボールチーム・ローゼス(南関東2位)、武庫川の河川敷で練習している関西アイリス(関西2位)が出場する。

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