全日本大学駅伝は駒大が圧勝
全日本大学駅伝は駒大が2位の青学大に3分34秒の大差をつける圧勝で、4年連続16度目の優勝を果たした。この差は21世紀に入ってからは2番目の大差だった(1番は09年日大の3分36秒差)。
駒大は史上初となる学生3大駅伝2年連続3冠に王手をかけたが、王者を止める大学は現れるのだろうか。
全日本の後、「箱根では駒大に背中を見せる展開にしたい」と話している監督がいたが、まさにその通りだろう。今年の駒大の強さは抜きん出ており、他大学の後塵を拝する機会がなく、出雲と全日本はすべての中継点でトップでたすきをつなぐ完全優勝だった。
さらに言えば、前年度になる2023年の箱根の4区から21区間続けてトップでたすきをつないでいることになる。
駅伝は流れが重要視される競技。力のあるチームが序盤からリードする展開になると、ライバル校としてはつらい。そのため、全日本では青学大の原晋監督が「名古屋大作戦」として、「序盤を走る名古屋で勝負していきたい」と話していたし、中大もエース格3人を1~3区に配して、有利にレースを運ばせようとしたが、いずれも思惑通りにいかなかった。そんな狙いをねじ伏せるだけの力が今季の駒大にはある。
箱根の完全優勝へ山場は1、2区
24年1月の箱根も優勝候補の筆頭は駒大だろう。注目の一つとして、21区間連続でトップでたすきをつないでいるという記録が、どこまで続くのかということがある。
当たり前だが、山場は1、2区になる。23年のハーフマラソンや1万メートルのランキングを見ると、駒大の篠原倖太朗がいずれもトップだが、篠原が1、2区を走る保証はない。
1万メートルの自己ベストで言えば、駒大の鈴木芽吹が27分41秒68で篠原を上回るが、鈴木も序盤を走るかどうかは分からない。
一方で、全日本同様、駒大に主導権を握られないために、他大学は序盤に走力のある選手を配置する可能性は高い。また、ランキングの上位には外国人留学生が多く、彼らが序盤に来る可能性は高い。駒大が1区からトップでたすきをつないでいくのは、いろんな意味で簡単なことではない。
とはいえ、1、2区をトップで乗り切れば、昨年の優勝メンバーが7人も残っているだけに、箱根でも完全優勝の可能性が出てくるのも事実。そう思わせるほど、今季の駒大は充実していると言える。
無敵のタスキリレーはどこまで続くのか。箱根での駒大は他大学だけでなく、自らの記録とも戦うことなりそうだ。
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