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箱根駅伝「1強」駒大を止めるのは?牙城を崩すのは青学大と中大か

2023 12/18 06:00鰐淵恭市
イメージ画像,ⒸPavel1964/Shutterstock.com
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負けてたまるか!青学大

100回目の箱根駅伝(2004年1月2、3日)で前人未到の3大駅伝2年連続3冠を狙う駒大の前に立ちはだかる大学は出てくるのか。駒大の「1強」を崩すとすれば、2大会ぶりの優勝を狙う青学大と、史上最多となる15度目の優勝を目指す中大だろう。

青学大登録選手


「負けてたまるか!大作戦」。これが、恒例となった青学大の原晋監督の今回の箱根の大作戦名。いつもは強気な原監督だが、今年は少々悲壮感が漂う名前となった。その心はこうだ。

「今回の駒大は史上最強」

駒大の力が抜きんでており、「1強」とも言われる。そんなライバルへの対抗心とも取れる作戦名となった。

1万メートルの上位10人の平均タイムは28分24秒63で出場23校中2位。前回大会は28分25秒11だから、力はわずかながらアップしている。しかし、駒大は28分21秒17と、その背中は近くない。

チームの核になるのは、駅伝に強く、1万メートルのタイムでチームトップの佐藤一世、ハーフマラソンチームトップで前々回5区区間3位の若林宏樹だろう。さらに、出雲の2区で区間賞をとった黒田朝日も力を伸ばしており、前回4区区間2位の太田蒼生、同8区区間5位の田中悠登を加えた5人が往路の主力メンバーになるのではないかと見られる。

前々回経験者で主将の志貴勇斗が外れたため、箱根の経験者は若林、太田、田中の3人のみ。経験という意味でも9人が経験者の駒大に水をあけられているが、食らいつくには往路に主力を固めるしかないだろう。

前回の箱根は3位。今季は出雲5位、全日本2位とライバルの後塵を拝している。「負けてたまるか!」という意地を見せることができるだろうか。

スピードで挑む古豪中大

中大登録選手


前回大会で2位となり、古豪復活を印象続けた中大。今季は駒大を止める1番手とみられていたが、出雲は7位、全日本は4位と、結果を残せていない。

鍵は「スピード」だろう。1万メートルの上位10人の平均タイムは28分26秒65で3位。ただし、5000メートルのスピードを持つランナーが中大はそろう。

全登録選手中、5000メートルで最も速い記録を持つのが、中大の吉居駿恭で13分22秒01。ほかにも、中野翔太、吉居大和の2人も13分30秒を切っている。13分30秒以内の選手3人は出場23校中最多で、駒大は2人だった。

もちろん、箱根の1区間の距離はおおよそハーフマラソンの距離であり、5000メートルの力がそのまま当てはまるわけではないが、そのスピードは他校の驚異だ。駒大を倒すのなら、青学大よりも可能性が高いかもしれない。

そのためには、青学大以上に序盤が鍵になる。吉居兄弟、中野に加え、関東インカレハーフマラソン2位の湯浅仁の4人を1~4区に並べ、駒大をリードする展開に持ちこみたい。5区の候補は2年連続山上りを経験し、前回は区間3位だった阿部陽樹だろう。

往路をとって、駒大を慌てさせたら面白い。そうすれば28年ぶりの頂点も見えてくる。

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