柏原竜二、大迫傑ら激走した歴代の1年生
100回目を迎える箱根駅伝(2024年1月2、3日)では、スーパールーキーの呼び声高い2人の走りに注目が集まる。東農大の前田和摩と順大の吉岡大翔だ。
過去にもスーパールーキーと呼ばれ、名ランナーへと成長した選手たちはいる。2人は箱根の歴史にその名を刻めるか。
100回目を迎える箱根駅伝(2024年1月2、3日)では、スーパールーキーの呼び声高い2人の走りに注目が集まる。東農大の前田和摩と順大の吉岡大翔だ。
過去にもスーパールーキーと呼ばれ、名ランナーへと成長した選手たちはいる。2人は箱根の歴史にその名を刻めるか。
東農大の名物応援「大根踊り」が、10年ぶりに箱根に帰ってくる。その立役者となったのが、1年生の前田だ。
10月に行われた箱根駅伝の予選会で、初のハーフマラソンながら、1時間1分42秒で日本選手トップの9位に入った。春先から「箱根の予選会で日本選手トップをとりたい」と話していたが、有言実行の走りとなった。
兵庫・報徳学園高出身。全国優勝にも輝いた名門だが、近年は往年のライバル西脇工高の壁に加え、須磨学園高の台頭もあり、全国高校駅伝の経験はない。
一方、トラックではインターハイの5000メートルで日本選手トップの4位。東農大進学後も、期待通りの走りをみせ、6月に行われた全日本大学駅伝の関東選考会では、U20(20歳未満)の日本歴代2位となる28分3秒51で日本選手トップとなる3位に入り、東農大を14年ぶりの全日本出場に導いた。
学生3大駅伝のデビュー戦となった11月の全日本では2区(11.1キロ)で6人抜きの快走を見せ、区間記録を更新。ただ、区間順位は3位のため、前田本人は悔しさをにじませた。
1年生にして、すでに東農大のエースとなり、箱根では華の2区(23.1キロ)を任されることが濃厚だ。小指徹監督も「日本人選手に負けるとは思っていない」と語っており、その活躍が期待される。
前田とスーパールーキーの座を争うのが、順大の吉岡だ。長野・佐久長聖高時代に5000メートルの高校記録となる13分22秒99をマーク。3000メートルでも7分58秒18の高校歴代2位の記録を持つなど、入学時点での注目度は前田以上だった。
大学入学後、トラックではその力の片鱗を見せつけた。9月に行われた日本インカレの5000メートルで日本選手トップとなる14分0秒43をマーク。4位入賞を果たした。
一方で、駅伝では大学の洗礼を浴びている。10月の出雲駅伝で学生駅伝デビューを果たしたが、1区(8.0キロ)で区間11位。途中、脇腹をおさえ、先頭集団から遅れてしまった。11月の全日本大学駅伝では、3区(11.9キロ)を走り、区間14位に終わった。トラックの1万メートルや駅伝での結果では、前田に軍配が上がっているのが現状だ。
順大は全日本大学駅伝、箱根駅伝のシード校のため、吉岡は前田のように予選会を走ることはなかった。2人とも出場した全日本では別区間を走ったため、直接対決はなし。箱根で2人の直接対決が期待されるが、前田がエース区間の2区を走るなら、箱根での対決も難しいだろう。順大のメンバーを考えれば、吉岡が2区を任される可能性は限りなく低いからだ。
いつ、2人の直接対決が見られるのか。学生長距離界の楽しみでもある。
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