0.8秒差で圧勝したメジロマックイーン
今週は大阪杯が開催される。古くはコダマ、ロングホーク、カツラギエースなどが勝利。2017年にGⅠ昇格してからはキタサンブラックやアルアイン、ベラジオオペラなどが勝利を挙げている。
今回はG1昇格前を含めた1986年以降の記録で大阪杯を振り返る。
過去には多くの圧勝劇もあった大阪杯。優勝馬がつけた、2着とのタイム差ランキングは以下の通り。
1位 0.8秒差 メジロマックイーン(1993年)
2位 0.7秒差 レイパパレ(2021年)
3位タイ 0.6秒差 ネーハイシーザー(1994年)、ヤエノムテキ(1989年)
5位 0.4秒差 サンライズペガサス(2002年)
トップ5のうち、GⅠ昇格後は2位のレイパパレのみである。G1昇格後は接戦が多く、15位タイとなる0.1秒差のキタサンブラック(2017年)、スワーヴリチャード(2018年)、ポタジェ(2022年)の3頭以外はタイム差なしの決着だった。なお、6位タイの0.3秒差にはトウカイテイオー(1992年)、ラキシス(2015年)の2頭が名を連ねている。
母父としても大阪杯を勝利
1位は1993年のメジロマックイーン。2着のナイスネイチャに5馬身差、3着のラッキーゲランにさらに1馬身半差をつけてゴールしている。メジロマックイーンは4角で既に先頭に立っていたが、そこから上がり最速の末脚を見せつけた。同馬にとって2000m戦は降着となった1991年の天皇賞(秋)以来であったが、全く問題にしなかった。
メジロマックイーンは数々の圧勝劇を披露した名馬である。1992年阪神大賞典でも2着に0.8秒差をつけ、1991、93年京都大賞典であげた2度の勝利も0.6秒差をつけている。
子孫では母父メジロマックイーンの名馬オルフェーヴルも2013年大阪杯を制しているが、2着ショウナンマイティとは0.1秒差だった。ただ、オルフェーヴルは引退レースの有馬記念で2着に1.3秒差をつけて勝利をあげている。
超強力メンバーを退けた無敗女王、レイパパレ
2021年の大阪杯は、2強対決とも3強対決とも呼ばれるメンバー構成だった。前年のクラシック三冠馬コントレイル、アーモンドアイを撃破した前年安田記念を含むGⅠ3連勝のグランアレグリアが激突。前者は単勝1.8倍、後者は2.8倍と人気を集め、それを追うのが単勝5.8倍のサリオスだった。
レイパパレは4番人気の単勝12.2倍という評価。デビューから無傷の5連勝をあげていたが、これがGⅠ初挑戦ということもあって大舞台の経験豊かな上位3頭からは離れたオッズとなった。
強い雨が降り注ぐなか、422キロの小柄な馬体を躍動させハナを奪ったレイパパレ。そのまま軽快に飛ばしてレースを作ると、最後は先頭から上がり最速の末脚を繰り出し2着に4馬身差をつけた。道悪巧者のモズベッロが2着に食い込み、3着以降はコントレイル、グランアレグリア、サリオスと続いた。
レイパパレはその後も宝塚記念3着や翌年の大阪杯2着など、一線級の実力を示し続けた。
競馬界を盛り上げ続けた実力派、サンライズペガサス
3位タイのネーハイシーザーは前年の菊花賞18着から復調し、年明けは3、4着と好走を続けての勝利。1番人気ベガが9着に沈む中、2着ナイスネイチャに3馬身半差をつけてゴールを駆け抜けた。
同じく3位ヤエノムテキは、前走の日経新春杯(2着)に続けてランドヒリュウとのワンツー。3着はゴールドシチーと豪華メンバーの一戦だった。
5位のサンライズペガサスは好位で粘るエアシャカールを上がり最速で差して勝利した。この年のメンバーも豪華であったが、再び挑戦した3年後の2005年にはハーツクライやアドマイヤグルーヴ、アドマイヤドンやサイレントディールなど素晴らしいメンバーが集結。そこでもサンライズペガサスは1番人気で勝利をあげている。GⅠタイトルこそないが当時の競馬界を大いに盛り上げた実力派として今も記憶に残る1頭だ。
レースレコードは2023年ジャックドール
着差ではなく勝ちタイムに注目した場合、ランキングは以下の通り。
1位 1:57.4 ジャックドール(2023年)
2位 1:57.8 ヒルノダムール(2011年)
3位タイ 1:58.2 ベラジオオペラ(2024年)、スワーヴリチャード(2018年)
5位タイ 1:58.4 ポタジェ(2022年)、ラッキーライラック(2020年)、トーホウドリーム(2001年)
着差ランキングとは打って変わって、上記7戦のうち5戦がGⅠ昇格後。牝馬ではラッキーライラックが唯一のランクインとなった。一方、期間内で最もタイムがかかった一戦は1992年トウカイテイオーの勝ちタイム2:06.3である。
2010年クラシック世代の活躍馬、ヒルノダムール
勝ちタイム1位のジャックドールは2020年デビューのモーリス産駒。国内外の重賞に参戦しながらも、デビューから14戦連続で2000m戦を走るという徹底ぶりが目立つ1頭でもある。
2022年にはGⅠ初挑戦となった大阪杯で5着に敗れるも、同年夏には札幌記念でパンサラッサに勝利。天皇賞(秋)ではイクイノックスの4着、香港Cではロマンチックウォリアーの7着と連敗したが、年明け初戦の大阪杯で遂にGⅠ馬となった。今年引退したジャックドールは、グラスワンダーから続く父系を繋げるべくレックススタッドにて繋養されている。
GⅡ時代の勝ちタイム最速となるヒルノダムールは、その後の活躍馬が多い2010年クラシック世代の実力馬。大阪杯も2着ダークシャドウ、3着エイシンフラッシュ、4着ダノンシャンティと同世代の馬がズラリと並んでいた。また、1〜3着は同タイムという大接戦で、充実した一戦だったといえる。続く天皇賞(春)でもヒルノダムールは勝利。2着はエイシンフラッシュ、4着はマカニビスティーとまたしても同世代が目立った。
今年は圧勝劇となるのか、それとも超絶タイムでの大接戦となるか──。
ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、ダイワスカーレット、ドウデュース。
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