予選会から例年より3校多い13校が本戦へ
100回目を迎える箱根駅伝の予選会が10月14日に開催される。節目の大会は本戦出場校が例年より3校増えて23校になり、予選会から進む大学も3校増えて13校となる。
そして、何よりも目玉なのが、関東学連の主催である箱根に、関東以外の大学が出場することが認められたことだ(ただし、100回大会限り)。予選を突破するのはどの学校になるのだろうか。関東以外の大学が、強豪の中に割って入ることはできるのだろうか。
予選会には各大学最大14人がエントリー。予選会当日はこのエントリーメンバーの中から12人がハーフマラソン(21.0975キロ)を走り、各大学上位10人の合計タイムで順位を争う。
今回、大会が発表しているのは各選手の1万メートルの資格記録。これは2022年以降の自己ベストになる。この資格記録の大学ごとの平均タイムとそのランキングを出してみた。
もちろん、1万メートルとハーフマラソンは「別もの」であるし、単純に平均タイムで大学の力は計れないが、おおよその力関係は分かるのではないかと思う。

1万メートル平均タイムは95回大会優勝の東海大がトップ、「史上最強留学生」誇る東京国際大が続く
ランキング1位は95回大会で初優勝した東海大だ。近年は青学大、駒大とともに学生駅伝界をリードしてきたが、前回大会の本戦は15位に終わり、100回大会は予選会に回った。飛び抜けた選手はいないものの、1万メートル28分台が6人、29分台7人、30分台1人とまとまっているのが強みだろう。
2位は強力な外国人留学生を擁する東京国際大だ。1年生のリチャード・エティーリは、1万メートルで日本学生記録となる27分6秒88をマーク。さらに、5000メートルでも日本学生記録を塗り替えた「最強留学生」だ。
エントリーメンバーには予選会で1人しか走れない外国人留学生が2人エントリーされているため、平均タイムを押し上げているが、前々回大会の本戦では5位に入るなど、近年は強豪の一つに数えられるチームだけに、予選会突破は濃厚だろう。
予選突破ラインは熾烈な争いに
3位からは山梨学院大、帝京大、中央学院大、日体大、国士舘大と本戦でもおなじみの大学が続き、8位に前回大会で55年ぶりに本選出場を果たした立大が入った。昨年度以上に力をつけているとみられる。
9位以下は明大、神奈川大、大東大、東農大、日大となり、ここまでが本選出場ラインの13位となる。9~13位で注目は東農大のルーキー前田和摩だ。兵庫・報徳学園高出身の前田は全日本大学駅伝の予選会で1万メートルのU20日本歴代2位となる28分3秒51をたたき出し、母校を14年ぶりの全日本出場に導いた。箱根でも古豪・東農大を10大会ぶりの本戦出場に導けるか。
14位以下は専大、駿河台大、麗澤大、亜細亜大と続き、ここまでが平均タイム30分未満。このあたりまでは、本戦出場を狙える位置にいそうだ。特に専大は13位・日大とのタイム差は0秒90。13位以内を巡る争いは激しくなりそうだ。
京産大、立命大も現実は厳しく
一方、今回予選会に出場したことで注目を浴びている関東以外の大学は、どうだろうか。
予選会には57校が出場し、うち11校が関東以外。その中でランキングのトップは関西の雄・京産大で25位だ。やはり関西では強豪校の立命大が2番目の29位と厳しい位置にいる。
それ以外の大学は、35位・皇学館大、36位・札幌学院大、37位・環太平洋大、38位・大経大、39位・愛知工大、40位・日本文理大、42位・中京大、46位・放送大関西、48位・信州大となっている。
関東以外の大学は、箱根で必要なハーフマラソンの走力に対応できていない可能性も高く、この順位以上に差をつけられる可能性もある。「関東の壁」は思っている以上に高いのが現実だろう。
【訂正】予選会の開催日を誤っていたため訂正いたしました。
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