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第35回出雲駅伝9日号砲 優勝候補最右翼は層厚い駒澤大、追う中央大

2023 10/6 06:00鰐淵恭市
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5000メートル平均タイムランキングで比較

学生3大駅伝の幕開けとなる第35回出雲駅伝が10月9日に開催される。6区間45.1キロで行われる出雲は、10区間217.1キロで争う箱根駅伝とは「別もの」。持久力よりもスピードが試される出雲で頂点に立つ大学はどこか。

各校の実力を測るため、大会が発表しているエントリー選手(各大学10人)の5000メートルの自己最高タイムの各校平均ランキングを出してみた。出雲は1区間が短いこと、1万メートルのタイムを持たない選手もいることから、5000メートルでの比較とした。

5000メートルの平均タイムランキング

層の厚い駒澤大、藤田新監督の手腕にも期待

昨年度、学生駅伝3冠を達成した駒大は、13分44秒41で出場チーム2番目の記録。ただ、層の厚さから言えば、今大会の優勝候補筆頭であることは間違いない。

前回大会優勝メンバー6人中、卒業したのは2人だけ。昨年の優勝メンバーである鈴木芽吹、花尾恭輔、安原太陽、佐藤圭汰の4人全員がエントリーされた。

優勝メンバー以外にも1万メートルで2023年の学生ランキングで2位、日本選手ではトップとなる27分43秒13をマークした篠原倖太朗もエントリー。エース格の唐澤拓海は外れたものの、実力は十分。誰がレース当日の6人に入るのかが注目だ。藤田敦史新監督の手腕も見ものになる。

追う中央大、青山学院大も充実の布陣

昨年度「古豪復活」を印象づけた前回大会3位の中大。5000メートルの平均タイムは全体トップの13分43秒59。昨年のメンバーのうち、5人がエントリーしているのが強みだ。

今年の箱根2区区間賞の吉居大和、吉居の弟で今年の5000メートル学生ランキング3位(日本選手トップ)の吉居駿恭、同4位の中野翔太、関東インカレ1部のハーフマラソンで2位に入った湯浅仁がエントリー。スピードのある選手がそろっており、初優勝を狙える力がある。

昨年は4位に終わった青学大の平均タイムは3番目となる13分49秒27。昨年のメンバー6人のうち、4人が卒業。大きく戦力が入れ替わることになる今大会は、エントリー10人中、4年生4人、3年生4人と上級生主体となった。

原晋監督が言う「駅伝力」の高い佐藤一世、太田蒼生、若林宏樹を中心にしながら、3000メートル障害で学生トップレベルの小原響、黒田朝日も名を連ねたのが特徴だ。区間距離が短い出雲ならではのメンバーとも言え、ここでうまくいけば、距離が伸びる全日本大学駅伝、箱根へとつながっていくとも言える。5年ぶりの優勝も視野に入れる布陣だ。

ダークホースは國學院大か

面白い存在は4年ぶりの優勝を目指す國學院大か。2年前の全日本8区区間賞の伊地知賢造、1万メートル27分台の記録を持つ平林清澄、ハーフマラソンで日本人学生歴代4位タイの1時間0分43秒を持つ山本歩夢ら実力者がエントリーした。出雲は6区間しかなく、距離も短いため、ほかの大会ほど層の厚さを要求されないだけに勝機はある。

順大はブダペスト世界選手権男子3000メートル障害6位入賞の三浦龍司、スーパールーキーの吉岡大翔の2人で波に乗れるか。

2年ぶり出場の早大の5000メートル平均は全体4番目の13分51秒33。ともに3年生の石塚陽士、伊藤大志の走りに注目が集まる。

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