全日本大学駅伝でエース2人欠いた駒大が連覇
11月7日に行われた全日本大学駅伝の結果は、学生3大駅伝の最終戦となる箱根駅伝のさらなる混戦を予想させるものだった。
中継所での首位交代が6回もあるめまぐるしい展開。最終的には優勝候補筆頭だった駒大が2年連続14度目の優勝を飾ったものの、2位青学大との差は大会史上最小となる8秒。紙一重の勝利だった。
チーム3本柱のうち、鈴木芽吹、唐澤拓海の2人をケガなどで欠きながら、駒大が連覇を果たした。エース級が2人もいなくて勝てるのだから、その底力を見せつけたと言える。
大八木弘明監督はレース後、こう語った。「鈴木芽吹、山野力、篠原倖太朗らを今回使おうと思いましたけど、けがで使えなかった。その代わりにチャンスをもらった選手たちが一生懸命走ってくれた。これはチームにとって大きな材料になりましたね」。エースを欠いて、さらにチームが強くなったということだ。
前半はもたついた。1区(9.5キロ)で1年生の佐藤条二が区間賞を獲得したものの、2区(11.1キロ)の青柿響、3区(11.9キロ)の佃康平と力のある2人が伸び悩んだ。5区を終えてトップとは1分51秒差の9位。「正直、これでは優勝はどうかな、という気持ちはありました」と大八木監督は振り返る。
それでも最後の3区間で逆転できるところに今の駒大のすごみがある。もちろん、その核になるのは学生最強ランナーで3年生主将の田澤廉。今回は7区(17.6キロ)を走り、区間賞で先頭の座を奪還した。それでも、大八木監督は「あと、10秒、20秒は離さないといけない選手」と手厳しい。
全日本の結果に加え、鈴木、唐澤が復帰することを考えれば、箱根の優勝候補筆頭も駒大になるだろう。前回大会の優勝メンバーが8人も残っている点も大きい。
「今後はレギュラークラスを復帰させて、箱根に向けて20キロという距離をしっかりと取り組んでいきたい。箱根は勝ちにいきたいと思います」と大八木監督の言葉にも自信がみなぎる。